新専門医制度についての説明

成熟した文明社会を形成する我が国において、国民の循環器疾患有病率、死因に占める割合は高く、近年更に増加の傾向にあります。これまで国の心臓病対策は5疾病5事業における急性心筋梗塞に位置づけられたごとく、急性期疾患への対応と救命に重点が置かれてきました。その成果には顕著なものがあり、それを原動力として支えた循環器医は、誠に多大な貢献を成してきたと謂われるべき存在であります。一方、人口構成の変化、社会構造の複雑化、価値観の多様化などを経験しつつあるこの世紀において、循環器領域の医療専門性に求められる内容も益々変化を遂げてゆくものと想像されます。その過程にあって、被診療者の苦痛と不安に耳を傾け、新しい研究成果に基づく疾病概念の革新を吸収し、更には高度化する医療技術を統合的に学修することで、社会が求める健康と安心の確保を具現化してゆく医師が求められています。日本循環器学会は、一般社団法人日本専門医機構が認定する循環器専門医を実務において支援することで、社会貢献の一端を着実に実現してゆく所存であります。日本循環器学会会員諸氏および専門医制度に関係する皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。

日本循環器学会 理事・専門医制度委員会委員長
木原 康樹


 下に掲載のビデオでは、新専門医制度と施設申請について概要を10分程度でご説明していますので、ご参照いただけますと幸いです。