経ち、その成果を総括し、「脳卒中と循環器病克服第二次5カ年計画」を策定、発表しました。そして、2020年10月に閣議決定された、「循環器病対策推進基本計画」に基づき、各都道府県で、予防から医療・福祉の提供体制の充実、研究推進までの幅広い総合的な、「循環器病対策推進計画」が策定されつつあります。対応すべき課題は多いですが、中でも心不全の予防や診療体制の構築は重要な課題です。心不全患者の増加は著しく、多職種連携による診療体制や地域連携が重要です。昨年、心不全療養指導士制度が開始になり、1,771名の心不全療養指導士が誕生しました。今年も引き続き多くの心不全療養指導士が誕生する予定です。心不全診療は急性期だけでなく、心臓リハビリテーションなどの回復期から慢性期、在宅診療が重要であり、そのチーム医療を担う上で、心不全療養指導士の皆様の活躍を期待しています。
COVID-19のために社会生活は大きく変化しましたが、一方で循環器学会の課題を見直し、改革するチャンスでもあります。日本循環器学会は、会員の皆様や社会に向けて、昨年7月「For Heart, Health and Happiness」をスローガンに、循環器疾患を克服し、世界の人々の幸福に貢献するために活動することを発表しました。学会のビジョン、ミッション、バリューに基づいて、公正で透明性のある学術団体として活動していきたいと思います。会員の皆様もぜひホームページをご覧いただき、学会活動にご協力をお願いいたします。
昨年、奈良県立医大の斎藤教授が第85回日本循環器学会学術集会をハイブリッド形式で開催してくださり、現地で参加され刺激を受けた会員の皆様も多かったと思います。一方、ESC やACC,AHAなどの海外学会はリモート開催が続いています。コロナ禍はすぐには収束しないでしょうが、日本循環器学会は、COVID-19時代に対応し、新しい学術集会の開催形式を模索し、新しい時代に向けた活動に取り組んでいます。人の交流が難しい時代ですが、多くの循環器の診療や教育、研究に関わる皆様に情報を発信していきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
最後に、2022年が皆様にとりまして、素晴らしい年になりますことを心より祈念申し上げます。
一般社団法人 日本循環器学会 代表理事 平田健一 神戸大学大学院医学研究科循環器内科学教授 神戸大学医学部附属病院長
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