JCS Newsletter

Vol.5 (2007.2.13)

  • World Circulation News PLUS
  • JCSの中長期展望に関するご意見募集
  • 第71回日本循環器学会総会カウントダウンメールのご案内
  • 第71回学術集会〜託児所のご案内

第71回学術集会(神戸)では、コメディカルの参加費優遇や、コメディカルセッション(教育講演・シンポジウム)をご用意して、チーム医療を支えるコメディカルスタッフの皆さまにも循環器疾患への理解を益々深めていただきたいと考えております。

第71回学術集会に、ぜひお越しください。(第71回学術集会公式ホームページはこちら

1World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)

海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

統計的手法が観察研究結果に影響

Health Day News 2007年1月17日

観察研究から得られたデータの分析に用いられる統計的手法は、そのデータから引き出される結果に大きな影響を与えるとの報告が、米国医師会誌「JAMA」1月17日号に掲載された。

カナダの臨床評価科学研究所(Institute for Clinical Evaluative Sciences、トロント)のTherese Stukel氏らは、急性心筋梗塞で心臓カテーテル法を受けた高齢患者12万2,124人を対象とした、生存率を評価する観察研究における選択バイアスを4種類の統計的分析法で調整した。

多変量モデルによるリスク調整、傾向スコアによるリスク調整、傾向スコアマッチングという3つの分析法のいずれかでバイアス調整をした結果、カテーテル実施後の死亡率に50%の減少が見られた。しかし、カテーテル実施率を操作変数に使った操作変数法を用いると、同死亡率には16%の減少しか認められなかった。

「観察研究のデータのバイアス調整をする際は、分析法の選定に慎重になるべきである」と、添付論説の著者らは述べている。

テロメア長の短縮は心血管イベントリスクを高める

Health Day News 2007年1月12日

中高年者で白血球のテロメア(染色体の末端にある反復性DNA)長が短縮している者は、より長い者に比べ冠動脈性心疾患(CHD)発症リスクが高いこと、しかしこのリスク上昇はスタチン治療により低減されることが、「Lancet」1月13日号に報告された。

英レスター大学のNilesh J. Samani氏らは、CHDイベントを起こした中年男性484人の患者群と、対照群として未発症1,058人の白血球テロメア長を比較するとともに、テロメア長とスタチン治療効果との関連性を検討した。

対象を、テロメア長により「長い」「中間」「短い」の3グループに分類。その結果、両群とも加齢に伴うテロメア長の短縮が認められたが、CHDイベントのリスクは「中間」および「短い」者のほうが(オッズ比1.51)、「長い」者(同、1.44)よりも高かった。患者群では、プラバスタチン治療により、テロメア長の短縮によるリスクは減少した(オッズ比1.12 → 1.02)。

テロメア長の短縮はCHDリスクの予測因子となるが、今後はリスクを予測する個別のテロメア長短縮のマーカー(絶対危険を予測する絶対数)を同定することが課題となる。

血中NT-proBNP値測定で心血管イベントリスクを予測

Health Day News 2007年1月9日

心疾患患者の血中アミノ末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)の測定により、心疾患イベントおよび死亡リスクの高い患者のスクリーニングに役立つ可能性のあるとの報告が、米国医師会誌「JAMA」1月10日号に掲載された。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のKirsten Bibbins-Domingo氏らは、987人の患者を平均3.7年間追跡した結果、期間中に256人(26%)に心血管イベントの発症または死亡が認められた。

NT-proBNP値の高低により患者を4段階に分類すると、最も高い1/4パーセンタイルの患者は、最も低い1/4パーセンタイルの患者に比べてリスクが8倍高かった(19.6%対2.6%)。また、NT-proBNP値が1.3pg/mL増加するごとに、有害転帰は2.3倍増加していた。さらに、臨床評価と心エコー検査にNT-proBNP検査を加えることにより、加えない場合に比べてROC (receiver operating characteristic; 受信者動作特性)曲線の下部領域が増大した(0.80対0.76)。

研究結果に対し、添付論説者は「NT-proBNP値と心血管疾患の程度および範囲の相関関係を、さらに詳しく検討する必要がある」と述べている。(なお、この研究に使用したNT-proBNP検査は、Roche Diagnostics Corporationの資金提供を受けている。)

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World Circulation News (WEB)
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2JCSの中長期展望に関するご意見募集

JCSでは現在、学会の将来を見越した中長期の展望を検討しております。
2006年12月には評議員を対象にアンケートを実施しました。その結果をホームページ上で公開しております。ご高覧いただき、ご感想やご意見を事務局までお送りいただけましたら幸いです。

ご意見・ご感想:admin@j-circ.or.jp

3第71回日本循環器学会総会カウントダウンメールのご案内

3月15日〜17日に神戸で開催されます学術集会のオフィシャル・ニュースメール「第71回日本循環器学会総会カウントダウンメール」を配信中です。
会期までの間、学術集会の各プログラムの見所などをご紹介してまいりますので、ご希望の方はこちらからご登録ください。

4第71回学術集会〜託児所のご案内

第71回学術集会の会期中、神戸国際会議場に無料臨時託児所をご用意いたします。ご利用は学術集会の参加者に限ります。お申込みはこちらより。

お申込締切日は3月8日(木)です。定員に達した場合はキャンセル待ちとなりますので、何卒ご了承ください。

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