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受動喫煙により心血管疾患のバイオマーカーが上昇
Health Day News 2007年2月12日
たとえ低レベルの受動喫煙への曝露であっても、フィブリノゲンやホモシステインなどの心血管疾患バイオマーカーが上昇することが、「Circulation」2月12日号に報告された。
英ノッティンガム大学のAndrea Venn氏らは、第3回国民健康栄養調査データの非喫煙成人7,599人を対象に、血中コチニン濃度と心血管疾患バイオマーカーの横断研究を実施。その結果、被験者の18%ではコチニンが検出されなかったが、残りの被験者からは低濃度または高濃度のコチニンが検出された。低濃度の18%と高濃度の56%の被験者は、喫煙者と同居しているか喫煙者のいる環境で働いていた。
コチニン高濃度または低濃度の人はコチニンなしの人に比べ、フィブリノゲン濃度は9〜10mg/dL高く、ホモシステイン濃度は0.8μmol/L高かった。C反応性蛋白(CRP)と白血球数への影響は認められなかった。今回の研究では、被験者全般に認められたコチニン濃度は能動喫煙者の約0.1%であったが、バイオマーカーへの影響は能動喫煙者の1/3から1/2に達していた。
「これらの所見は、受動喫煙が心血管疾患の罹患性に臨床的にも重要な影響を与えるとする既存の証拠を支持するものである」と研究者らは結論づけている。
心不全患者の2/3に拡張機能障害
Health Day News 2007年2月5日
収縮機能が保持されている心不全患者の約2/3には拡張機能不全が認められ、中等度または重度の拡張機能不全は予後不良リスクが高いという研究報告が、「American College of Cardiology」2月13日号に掲載された。
スウェーデンのカロリンスカ研究所(ストックホルム)のHans Persson氏らは、心不全症候があり収縮機能が保持されている(駆出率EF>40%)高齢患者293人を対象に、ドップラー心エコー法で拡張機能不全の有病率を調べた。その結果、67%の患者に拡張機能不全が認められた。44%の患者には中等度または重度の拡張機能不全があり、これらは予後不良を引き起こす独立した予測因子であった(ハザード比はそれぞれ3.7、5.7)。
「現行の非侵襲的な心臓拡張機能診断はリスク層化に有効であり、EFが正常な心不全患者への治療を施行する際の必須の診断であることが裏づけられた」と添付論説の著者らは述べている。
大気汚染により閉経後女性の心疾患および死亡リスクが上昇
Health Day News 2007年1月31日
微粒子大気汚染への長期間曝露は、閉経後女性の心血管疾患および死亡のリスクを高めるとの研究結果が、「New England Journal of Medicine」2月1日号に掲載された。
米ワシントン大学(シアトル)のJoel D. Kaufman氏らは、米国の36都市において、心臓病既往歴がない閉経後の女性6万5,893人を対象に、6年間にわたり大気汚染への曝露状況を観察した。その結果、期間中に1,816人の女性が冠動脈心疾患、脳血管疾患、冠動脈血管再生、心筋梗塞、脳卒中を含む心血管イベントを少なくとも1回起こしていた。
女性らが2000年に曝露した2.5μm未満の微粒子量は1立方メートルあたり3.4〜28.3μgで、10μg増すごとに心血管イベントリスクは24%上昇し、心血管疾患による死亡率は76%上昇した。微粒子曝露は脳血管イベントリスク上昇とも連動していた(ハザード比、1.35)。
「今回の研究で、長期にわたる微粒子曝露の健康被害はこれまで認識されていた以上に大きいことが判明した。今後は長期的曝露を少なくする取り組みが求められる」と著者らは結論づけている。
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2JCS-ITC第1回AHA ACLSプロバイダーコース受講者募集のご案内
※受講定員には限りがございます。受付締切が迫っておりますので、お早めにお申込みください。
日本循環器学会はこのたび2007年3月に、米国心臓協会AHAと契約して国際トレーニングセンター(ITC)となり、心肺蘇生法委員会の中の教育部門としてECC(緊急心血管治療)プログラムを独自に推進させていく事になりました。これまでの日本ACLS協会の協力の元で実施していたコースを終了し、新たに第1回JCS-ITCコースとして出発致します。 このトレーニングコースは、アメリカ心臓協会(AHA)がこれまで築き上げてきたトレーニングプログラムを用いて、新たなガイドライン2005の教程で実施されます。積極的に参加いただき、地域での「救命の連鎖」確立を推進していただける方を募集します。
募集要項およびお申し込みはこちらより。
3学術集会時の専門医研修単位登録について
第71回学術集会の専門医研修単位登録受付を、会期中、以下の要領で実施致します。
登録受付窓口を以下の場所に設置いたします。
- 学術集会:神戸国際展示場3号館の「研修単位登録受付」
- 教育セッション:ポートピアホール 2Fロビーの「循環器教育セッション研修単位登録受付」
以下の注意事項をご確認ください。
- 今学術集会会期中、上記の研修単位登録受付にて「循環器専門医カード」の提示により単位を登録する方式です。
- 会期中に会場でのみ、単位登録を受け付けます。プログラムや参加証などの書類による会期後の単位申告は受付できませんので、ご注意ください。
- 登録は、必ずご本人がお手続きください。なりかわり等の虚偽登録が確認された場合、専門医制度規則第9条により専門医資格の取消となります。予めご了承ください。
各受付会場での受付時間や、その他詳細はこちらをご確認ください。
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