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米国ペーシング学会レポート:心房細動カテーテルアブレーションの新ガイドライン
HealthDay News 5月14日
米国ペーシング学会(HRS)はデンバーで開催された第28回年次集会で、心房細動に対するカテーテルアブレーションおよび外科的アブレーションに関する新ガイドラインを発表した。それによると、生活の質(QOL)が損なわれるほど症状が重く、少なくとも1種類の抗不整脈薬の試行が不成功であった患者においてのみ、この処置を検討すべきであるとしている。
心房細動のアブレーションは他の処置法と比べて危険度と難易度が高く、より慎重な継続観察を要する。HRSはこの点を考慮し、施術側には適切な患者選定、解剖学的知識、アブレーション戦略の概念的知識、専門技能、合併症および継続治療への対処能力など、6つの基本原則を満たすよう勧告している。
「このガイドラインは、世界中の心臓病患者に、よりよく安全で一貫した治療を提供するという目標に向けての大きな一歩となる」と、HRS科学臨床ガイドライン委員長のHugh Calkins氏は語った。
なお、このガイドラインは国際的な合意に基づいている。欧州ペーシング学会(EHRS)次期会長のJosep Brugada氏はその理由を、「世界中の患者に最善の医療を提供できるよう、広く普及させる必要性を感じたからだ」と語っている。
無症候性虚血症例では薬物療法よりも血管形成術が長期的リスクを軽減
HealthDay News 5月8日
無症候性虚血の患者は、集中的な薬物療法よりも経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行するほうが、心筋梗塞後の主要イベントの発症リスクを軽減できるとする研究結果が、米国医師会誌「JAMA」5月9日号に掲載された。
スイス、ルツェルン州立病院のPaul Erne氏らは、公立病院3施設の患者201人を対象に無作為化対照試験を実施した。被験者は全員、心筋梗塞の発症後に負荷像により無症候性虚血が確認されており、1枝または2枝の冠動脈疾患を有していた。被験者は抗虚血薬による集中的な薬物療法または血管形成術を受けた。
平均10.2年の追跡期間中に発生した主要な心イベントは、PCI群で27件、薬物療法群で67件であった。追跡終了時に虚血を有していた患者は、薬物療法群の28.9%に対し、PCI群では11.6%にとどまった。
「心筋梗塞後の無症候性虚血には、非侵襲的な薬物療法よりも侵襲的なPCIのほうが、長期的な転帰が良好であることが示された」と著者らは述べている。
なお、この研究はヘキスト社、メルク社、ファイザー社による助成金を受けている。
冠動脈石灰化スコアが死亡を予測
HealthDay News 5月4日
冠動脈石灰化スコアは、心疾患症状のない患者の10年死亡率を予測しうるとする研究結果が、米国心臓学会誌「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」5月8日号に報告された。
米Harbor-UCLA ロサンゼルス・バイオメディカル研究所(カリフォルニア州トランス)のMatthew J. Budoff氏らは、プライマリ医から電子ビーム断層撮影法による石灰化検査を委託された無症候性患者2万5,253人を対象に、患者の冠動脈石灰化スコアと転帰との関係を調べた。
その結果、リスクファクター(危険因子)調整後の10年生存率は、石灰化スコアが0であれば99.4%だが、1,000以上なら87.8%と、スコア上昇に伴って低下していた。相対リスクも、2.56(スコア1〜10)から62.58(スコア1,000以上)と差が開いた。なお、スコア0の患者は全体の44%で、スコア1〜10は14%、11〜100は20%、400〜1,000は6%、1,000以上は4%であった。
「全原因死亡率を予測するには、従来のリスクファクターに加えて冠動脈の石灰化が独立した付加的な予後情報となる」と著者らは述べている。
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