JCS Newsletter

Vol.13 (2007.6.12)

  • World Circulation News PLUS
  • 診療標榜科の見直しについて
  • 評議員および正会員代表選挙の被選挙資格をご確認ください
  • 「勤務医師賠償責任保険」の更新ならびに新規加入のご案内

評議員・正会員代表選挙が近づいています。会員の皆様の選挙地区確定のため、ご勤務先・ご自宅を変更された先生方は、6月末までに登録事項変更届をお送りください。
詳しくは「3. 評議員および正会員代表選挙の被選挙資格をご確認ください」をご覧ください。

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1World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)

海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

rosiglitazoneの安全性問題に冷静な対応を呼びかけ

HealthDay News 5月24日

rosiglitazone(商品名Avandia)の安全性をめぐる議論に関して、「The Lancet」5月23日オンライン版は、患者の不安を煽らないよう、冷静かつ慎重に行動することを呼びかける論説を掲載した。

rosiglitazoneにおける臨床試験の体系的レビューの結果が、雑誌掲載に先立って「New England Journal of Medicine」オンライン版に5月21日掲載され、同薬が心筋梗塞リスクを43%高めることが指摘された。同日、米国食品医薬品局(FDA)は安全性に関する警告を発表。Avandiaの製造元グラクソ・スミスクライン社は、同論文の結論にまったく同意できない旨回答した。

rosiglitazoneに関する2つの信頼性の高い研究、ADOPTおよびDREAMの成績に対し、さらなる研究の必要性を示唆するものである。DREAM trialでは、心筋梗塞あるいは心筋梗塞/脳卒中/心血管イベントの発症率は、rosiglitazone治療群と対照群間で有意差は認められなかった。また、ADOPT trialでは、合計4,360人の患者のうちrosiglitazone治療群でうっ血性心不全エピソードが発症したのは22人、対照群では9人であった。

著者らは「イベント発症数が極めて少数であるとはいえ、これらの結果を考え合わすと、明らかに懸念信号が現れており、rosiglitazoneの安全性に関するより信頼度の高い情報が求められている。しかしFDA、医師、患者は、心血管疾患の転帰(アウトカム)の検討を目的にデザインされた第Ⅲ相試験RECORDの結果を冷静に待つほうがよい」と結論付けている。

FDAがrosiglitazoneの安全性に対する警告を発表

HealthDay News 5月21日

rosiglitazone(商品名Avandia)の治療を受けている2型糖尿病患者は、同薬の治療を受けていない患者と比較して、心筋梗塞リスクおよび、場合によっては心血管関連死のリスクも増加しうるとするメタ分析の結果が、「New England Journal of Medicine」5月21日オンライン版に前倒しで掲載された。米国食品医薬品局(FDA)も同日、Avandiaの安全性に対する警告を発表した。

米クリーブランド・クリニック(オハイオ州)のSteven Nissen氏とKathy Wolski氏は、FDAおよびグラクソ・スミスクライン社の臨床試験記録から、試験期間が24週以上である、無作為化で対照群(rosiglitazone未治療患者)を設定している、心筋梗塞および心血管死のデータを有する−の条件を満たした42試験を分析した。

その結果、対照群との比較で、rosiglitazone治療群の心筋梗塞オッズ比は1.43。また心血管死のオッズ比は1.64だったが、これら知見はボーダーライン上での統計学的有意差を示すものであった。

今回のメタ分析はいくつか弱点を有しており、同誌の論説において、Bruce Psaty氏とCurt Furberg氏は「数例のイベント発症により、心筋梗塞あるいは心血管死に対する知見が変わったかもしれず、偶然によるものだという可能性を排除できない。著者らも論文のdiscussionの中でその弱点を率直に認めている」と述べている。

FDAは、「Avandiaを使用している患者で、特に基礎的な心疾患を有するか、心臓発作のリスクが高い患者は、医師と十分に話し合って治療選択肢を評価してほしい」と勧告している。

睡眠時無呼吸は心不全患者の死亡リスクを高める

HealthDay News 5月16日

心収縮不全患者では、中枢性睡眠時無呼吸や右室収縮機能障害、拡張期血圧低値などのいくつかの因子が、死亡リスクの増加に関連しているとする研究報告が、米国心臓学会誌「Journal of the American College of Cardiology」5月22日号に掲載された。

米国退役軍人局医療センター(オハイオ州、シンシナティ)のShahrokh Javaheri氏らは、心不全患者の死亡率に対する中枢性睡眠時無呼吸の影響を明らかにするために、心収縮不全患者(左室駆出率EF≦45%)88人を平均51カ月追跡した。無呼吸‐低呼吸指数(AHI)が5/時間(h)未満の患者の平均年齢は62歳、5/h以上の患者では67歳であった。

睡眠時無呼吸症患者の平均AHIは34/hであったのに対し、睡眠時無呼吸症のない患者では2/h。また睡眠時無呼吸症患者の生存期間は約45カ月であったのに対し、睡眠時無呼吸症のない患者は90カ月であり、死亡ハザード比は2.14であった。拡張期血圧低値と右室収縮機能障害も生存期間の不良(poor)に寄与していた。

今回、被験者群においては、EF、ニューヨーク心臓協会(NYHA)の機能分類、年齢などの心不全の強力な交絡因子を調整した後も、睡眠時無呼吸と死亡率の関連性が認められたが、研究著者らは「心不全患者では、中枢性睡眠時無呼吸の効果的な治療が生存率の向上に結びつくかどうかは不明である」としている。

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World Circulation News (WEB)
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2診療標榜科の見直しについて

一部報道等でも報じられましたが、厚生労働省の医道審議会医道分科会診療科名標榜部会にて、「診療科名標榜の見直しについて」が検討されています。この再編案では、「循環器科」「心臓血管外科」その他が標榜科から外され、「内科」「外科」という表示が基本となります(サブスペシャルティーとしての表示は可能です)。詳細については今後検討が進められるようですが、会員各位におかれましてもこの問題を注視いただきますようお願い申し上げます。

(関連情報)日本外科学会の要望書

3評議員および正会員代表選挙の被選挙資格をご確認ください

本年度に実施される評議員および正会員代表選挙の被選挙資格者名簿を、会告および学会ホームページで公開しています。 名簿内容に訂正がある場合は、6月30日までに学会事務局へご連絡ください。

また、留学者で投票を希望される方の地区登録も6月30日までとなっておりますので、
学会事務局までご連絡をお願いいたします。

被選挙資格者名簿・選挙スケジュールはこちら

4「勤務医師賠償責任保険」の更新ならびに新規加入のご案内

* 申請書類を6月中旬に送付いたします。お手続き忘れのないようご注意ください!

(社)日本循環器学会団体契約「勤務医師賠償責任保険」にご加入の会員さまへ

2007年団体契約「勤務医師賠償責任保険」更新・新規加入の
お手続は2007年7月31日まで限定です。 お手続き書類は2007年6月中旬に送付いたします。
つきましては、締切日までにお手続き忘れのないよう、くれぐれもご注意ください。
詳細は下記までお問い合わせください。

<取扱代理店> 株式会社カイトー
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル
TEL:03(3369)8811 FAX:03(3369)3120 E-mail:ibai@kaito.co.jp

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