Vol.28 (2008.2.12)
- World Circulation News PLUS
- BLS・ACLS 講習会情報
- APCC2009演題募集のご案内
|
|
現在各支部にてAHA BLSヘルスケアプロバイダーコースを多数開催しています。 2008年度循環器専門医受験予定で未受講の方はお早めに受講ください。

|
◆JCS2008〜第72回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆
|
|
[PR記事] 好評! 最新ガイドラインを独自取材・速報! |
|
|
|
 |
|
医師限定情報サイトMedical Tribune MTpro がリニューアル!
10年分の過去記事、医療裁判の判例集、添付文書を横断検索できます
求人求職情報、2008年版学会カレンダーを掲載。登録・利用無料
ご登録はこちらから → http://mtpro.jp
|
|
1 |
World Circulation News PLUS(Health Day News 提供) |
海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約)
メタボリックシンドロームを有する高血圧患者には利尿薬が最適
HealthDay News 1月28日
ACE阻害薬など代謝系に対して有利に働くとされる降圧薬は、メタボリックシンドロームを有する高血圧患者の治療においてはサイアザイド系利尿薬に比べて具体的な利点は全くなく、黒人ではむしろリスクを付加する可能性があるとする研究結果が、「Archives of Internal Medicine」1月28日号に掲載された。
米ケース・ウェスタン・リザーブ大学(クリーブランド)のJackson Wright Jr.氏らは、メタボリックシンドロームを有する高血圧患者に対する各種降圧薬の心臓発作予防効果の差を検討するために、ALLHAT試験(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)の4万2,418例のデータを分析した。
その結果、メタボリックシンドロームを有する高血圧患者の治療による各種疾患の予防効果は、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、α遮断薬投薬群それぞれにおいて、サイアザイド系利尿薬投薬群に比べて優れていなかった。特に黒人においては、ACE阻害薬投薬群では利尿薬群に比べて腎疾患は70%、心不全は49%、脳卒中は37%、それぞれ罹患リスクが高かった。
「代謝系に対し最もよい効果を持つといわれるACE阻害薬やα遮断薬の投与で、特にメタボリックシンドロームを有する黒人において何ら利点は認められなかった。この結果から、メタボリックシンドロームを有する黒人において、降圧薬治療の第一選択に利尿薬よりもACE阻害薬を用いることには疑問が持たれる」と著者は述べている。
著者は、謝礼およびコンサルタント料を製薬会社数社から受けていること、また本研究の費用の一部をファイザーが援助していることを報告している。
Abstract
Full Text (subscription or payment may be required)
冠動脈ステント使用に関する比較研究の分析
HealthDay News 1月23日
薬剤溶出ステントのほうがベアメタルステントに比べ、オフラベル(添付文書に適応等が明記されていない)の使用では優れ、その一方で、多枝病変の冠動脈疾患の治療には、薬剤溶出ステントよりも冠動脈バイパス術(CABG)のほうが死亡率が低いとする2つの研究結果が、「New England Journal of Medicine」1月24日号に掲載された。
最初の研究は、米ピッツバーグ大学(ペンシルベニア州)のOscar Marroquin氏らが、経皮的冠動脈介入術(PCI)の際に、薬剤溶出ステントかベアメタルステント留置のいずれかを施術された患者6,551例のデータを分析した。介入後1年間の血管再建術(revascularization)の再施行、心筋梗塞、死亡リスクを比較した結果、標準使用例では両群に差が認められなかったが、オフラベル使用例では、心筋梗塞および死亡リスクに差は認められなかったものの、血管再建術の再施行リスクは薬剤溶出ステント群のほうがベアメタルステント群よりも低かった。
もう一方の研究は、米ニューヨーク州立大学アルバニー校のEdward Hannan氏らが、薬剤溶出ステント9,963例とGABG 7,437例を2年間追跡し、データを分析。その結果、3枝病変症例ではCABG群のほうがステント群に比べ、死亡率は20%、死亡もしくは心筋梗塞発症リスクは25%低かった。また全体的にCABG群のほうがステント留置群に比べ、血管再建術の再施行率が低かった。
「より長期間の追跡データを用いて検討することが望ましいが、現段階ではより新しい死亡データの使用は可能ではない」と著者は記している。
第1の研究では、複数の著者がCordis、 Boston Scientific、 Abbot Vascularとの経済的関係のあることを、第2の研究では共著者が、Sanofi-AventisとAstellas Pharmaからの謝礼を受け取っていることを報告している。
Abstract - Marroquin
Full Text (subscription or payment may be required)
Abstract - Hannan
Full Text (subscription or payment may be required)
血中の脂質レベルに影響を与える変異遺伝子座を同定
HealthDay News 1月21日
血中のトリグリセライド(中性脂肪)、HDLおよび LDLコレステロールレベルに影響を及ぼす18の変異遺伝子座(loci)を同定したとする2つの研究が、「Nature Genetics」オンライン版に1月13日掲載された。
第1の研究では、米ミシガン大学(アンアーバー)のChristen Willer氏らが、脂質濃度に影響を及ぼす変異遺伝子を同定するために行われた3つのゲノムワイドスキャン(異常遺伝子同定)のデータを合計した8,816例に、新たに1万1,569例の有効データを追加して同定した。その結果、すでに発見されている脂質代謝に関与する11の変異遺伝子座に加え、新たにHDLおよびLDLコレステロール、トリグリセライドレベルに関与する7つの変異遺伝子座を発見した。
第2の研究では、米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のSekar Kathiresan氏らが、同じ初期データに1万8,554例の有効データを追加して同定。その結果、HDLおよびLDLコレステロール、トリグリセライドレベルに関与する変異遺伝子座を、新しい6座を含めて18座発見した。
Willer氏らは「我々の研究で同定した変異遺伝子は、リポ蛋白とグリセライドの形成、活動、ターンオーバーのすべてのサイクル(周期)に関与している」と結論付けている。またKathiresan氏らは「新しく同定された変異遺伝子座の分子学的、細胞学的、臨床学的影響を理解することによって、治療や臨床ケアへの有効な情報が得られる可能性がある」と結論付けている。
第2の研究は、製薬会社数社からの資金援助を受けている。
Abstract
Full Text (subscription or payment may be required)
Abstract
Full Text (subscription or payment may be required)
Copyright © 2008 ScoutNews, LLC. All rights reserved.
World Circulation News (WEB) AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。
循環器専門医の受験必須資格であるAHA ACLSプロバイダーコース受講のためには、まずAHA BLSヘルスケアプロバイダーコースの修了が必要です。
日本循環器学会では、各支部にてAHA BLSヘルスケアプロバイダーコースを多数開催しています。
2008年度循環器専門医受験予定者は優先的に採択いたしますので奮ってご応募ください。
→各コースのご案内はこちら
Asian Pacific Congress of Cardiology 2009(2009/5/20-23, Kyoto, Japan)では、現在演題を受付中です。
こちらからご応募ください。
※演題締切:12月18日
JCS Newsletterのバックナンバーをこちらのページでご覧いただけます。
ご意見・ご感想、配信先の変更・中止等は下記のアドレスまでご連絡ください news-m@j-circ.or.jp
発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/
本メールに記載された記事を、許可なく転載することを禁じます。 Copyright © The Japanese Circulation Society. All rights reserved.
|