JCS Newsletter

 

Vol.29 (2008.2.26)

  • World Circulation News PLUS
  • 第72回学術集会抄録集・プログラム発送のご案内
  • 第19回(2008年度)循環器専門医受験予定の先生方へ
  • 循環器研修ビジュアルシリーズ最新刊のご案内


第72回日本循環器学会総会・学術集会の抄録集・プログラムは3月上旬に発送予定です。

 

JCS2008


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

2型糖尿病の強化療法は長期的な利益をもたらす

HealthDay News 2月6日

2型糖尿病に対する多剤併用や生活習慣の改善を集中的に行う強化療法は、全死亡および心血管疾患による死亡リスクの低下を長期間持続させるとの研究結果が、「New England Journal of Medicine」2月7日号に掲載された。

デンマーク、ステノ糖尿病センター(コペンハーゲン)のPeter Gaede氏らは、以前行われた強化療法と通常療法(conventional therapy)の比較試験に参加した微量アルブミン尿を有する2型糖尿病患者130人に対し、その後も追跡期間を延長しデータの分析を行った。当初の試験追跡期間は平均7.8年で、今回平均5.5年が追加され、全追跡期間は平均13.3年であった。一次エンドポイントは全死亡、他のエンドポイントは心血管疾患による死亡、心血管イベント、糖尿病腎症および糖尿病網膜症もしくは神経障害の発症や悪化などであった。

その結果、すべての原因による死亡数は強化療法群では24人と、通常療法群の40人に比べ全死亡リスクが低かった(ハザード比0.54)。また、心血管疾患による死亡リスク(ハザード比0.43)や心血管イベントリスク(同0.41)も低く、末期腎疾患(ESRD)を発症した患者数(1人:6人)および網膜光凝固治療を必要とした患者数(相対リスク0.45)も少なかった。

「最近の調査で、治療目標を達成した症例、糖尿病血管合併症の予防を目的とした推奨薬剤を用いた症例において、糖尿病の進行が極めて遅いことが示されている。2型糖尿病患者に対する強化療法および多因子ケアが死亡率、心血管イベントの発症率を低減させることから、現行の治療ガイドラインの早期かつ慎重な検討(見直し)が大きな課題となる」と著者は結論付けている。

2人の共著者は、製薬会社との経済的関係を報告している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)

糖尿病強化療法を検討中のACCORD試験、死亡リスク上昇のため中止

HealthDay News 2月6日

心血管疾患リスクの高い2型糖尿病患者を対象に、集中的に血糖値を下げる強化療法が標準治療(standard treatment)に比べ心血管イベントのリスクを低下させるかどうかを検討する臨床試験において、逆に強化療法群の死亡リスクが高くなったために同試験が中止されたことが、米国立衛生研究所(NIH)により発表された。強化療法群のすべての患者は、今後、標準治療を受けることになるという。

ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験は、米国およびカナダで心血管疾患リスクを2種以上有するか、心血管疾患をすでに発症している2型糖尿病患者10,251人を対象として行われた。患者は、血糖値低下を目的とした強化療法(HbA1c6%未満)と標準治療 (HbA1c7.0-7.9%)に割付けられた。

試験は、標準治療群の死亡数203例に対し、強化療法群の死亡が257例と確認された時点で、データ安全性監視委員会の勧告により試験終了予定の18カ月前に中止された。強化療法による死亡リスク上昇の原因は現在不明であるが、試験の研究者は「ロシグリタゾン(rosiglitaszone、商品名:Avandia)を含む特定の治療薬、あるいは特定の薬剤の組み合わせによる死亡リスク上昇は認められなかった」と報告している。

米国立心肺血液研究所(NHLBI)所長のElizabeth Nabel氏は「すべてのデータをレビューしたところ、現行の治療ガイドラインよりも低い血糖値に集中的に低下させる治療戦略自体が、特に心血管疾患ハイリスクの2型糖尿病患者に対して、有害であることが示唆された。試験は中止したが、今後もACCORD試験の研究者らは、すべての被験者の治療および健康状態の追跡と、強化治療で死亡率が上昇した原因の分析を継続する」と述べている。

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クロピドグレル治療の中止で心血管イベントリスクが上昇

HealthDay News 2月5日

急性冠症候群(ACS)の患者は、クロピドグレル(Clopidogrel、商品名:ブラビックス)による治療を中止後90日以内に、心血管イベント発症リスクが上昇するとの研究結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」2月6日号に掲載された。

米デンバー退役軍人(VA)メディカルセンター(コロラド州)の、Michael Ho氏らは、退院前にクロピドグレルを処方されたACS患者3,137例を対象に後ろ向きコホート研究を行った。対象の大部分は男性で、53%が白人であった。また約半数の患者はACSに対して薬物療法が、残り半分には経皮的冠動脈介入(PCI)が施行された。研究者らは、クロピドグレル中止後に生じた全死亡、心血管疾患による死亡、急性心筋梗塞の発症などの時期を記録から判定した。

その結果、クロピドグレル服用期間の調整後では、薬物療法群、PCI施行群ともに、治療中止後90日以内では、91-180日に比較して有害イベントのリスクが有意に高かった(発症率比IRR 1.98および1.82)。

「今回の試験結果は、クロピドグレルの服用中止後にリバウンドとして高血栓(hyperthrombotic)状態が生じるという仮説を支持しているが、これら知見を検証し、リバウンド作用を減弱させる治療戦略を特定するための追加研究が必要である」と著者らは述べている。

著者の1人は、ブリストルマイヤースクイブ社およびサノフィ社との金融関係を公表している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)

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World Circulation News (WEB)
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 第72回学術集会抄録集・プログラム発送のご案内


 


Circulation Journal


 


「循環器病学の輝く未来をめざして−発見、創造、そして挑戦−」をメインテーマとして、第72回日本循環器学会総会・学術集会(福岡)が3月28日(金)〜 30日(日)に開催されます。
抄録集・プログラムは、会員の皆様に3月上旬に発送予定です。

→第72回学術集会に関する各種ご案内はこちら


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 第19回(2008年度)循環器専門医受験予定の先生方へ


受験申請書類は学会誌送本先に送付します。ご住所に変更がある場合は、お早めに下記までご連絡をお願いします。

学会ホームページ 

http://www.j-circ.or.jp/about/contact.htm(総務担当「登録事項の変更」から)

E-mail

admin@j-circ.or.jp

FAX

: 075-213-1675



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 循環器研修ビジュアルシリーズ最新刊のご案内


「循環器研修ビジュアルシリーズ」の最新刊が完成いたしました。
当シリーズを視聴されると、一巻につき専門医研修単位が3単位申告できます。視聴後、本体についている申請ハガキに必要事項をご記入の上、50円切手を貼ってご郵送ください。
なお単位の加算はご購入本人に限ります。

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VOL.11 弁膜症の内科治療と手術のタイミング
            原案監修:吉田 清
VOL.12 急性冠症候群の治療戦略
            原案監修:木村 剛

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