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Vol.36 (2008.6.10)

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「PASSPORT to STOP SMOKING」第3版お申し込み開始しました。

 

JCS2009


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

生活習慣への介入が糖尿病発症の長期的な遅延もたらす

HealthDay News 5月26日

6年間の生活習慣への介入により、糖尿病の発症を14年遅らせることが可能との研究結果が、「Lancet」5月24日号に掲載された。

中国、中日友好病院(北京市)のGuangwei Li氏らは、1986年に中国国内の医療機関33施設から耐糖能異常のある成人577人を募集して研究対象とした。対象者は無作為に、食事、運動、もしくは食事+運動の3つの生活習慣介入群、あるいは対照群のいずれかに割り付けられた。介入は6年間にわたり継続され、患者は2006年に至るまで糖尿病、心血管疾患、死亡について追跡調査が行われた。

介入期間中、糖尿病の発症率は、生活習慣介入群全体では対照群に比して51%低下し、20年の経過期間において43%の発症率低下がみられた。また、20年間の糖尿病累積発症率は、介入群では80%であったのに対し、対照群では93%、さらに糖尿病の年間発症率は介入群7%、対照群11%であった。しかし、介入群と対照群における心血管疾患および死亡の転帰(アウトカム)はほぼ同じであった。

著者らは「全世界において、糖尿病が原因で年間約300万人の超過死亡が生じていることから、生活習慣への介入は、先進国と発展途上国のいずれにおいても妥当な公衆衛生学的措置と思われる」と結論している。

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メタボリックシンドロームの診断概念の有益性に疑問

HealthDay News 5月22日

メタボリックシンドロームとその構成要素は、高齢者集団において糖尿病の強い予知測因子となるが、心血管疾患とは弱い関連性があるにすぎないとの研究論文が、「Lancet」オンライン版5月22日号に掲載された。

英スコットランド、グラスゴー大学のNaveed Sattar氏らは、心血管疾患イベントと2型糖尿病の発症リスクに対するメタボリックシンドロームの影響を、PROSPER(Prospective Study of Pravastatin in Elderly at Risk)研究の対象となった70〜82歳の非糖尿病例4,812人、および同様に前向き研究であるBRHS (British Regional Heart Study)研究の対象となった60〜79歳の非糖尿病例2,737人において検討した。

PROSPER研究においては、メタボリックシンドロームは糖尿病発症のリスク増大と関連していたが(ハザード比4.41)、心血管疾患の新規発症との関連性はなかった。BRHS研究においては、メタボリックシンドロームは糖尿病のリスク増大と強い関連性がみられたが(相対危険度7.47)、心血管疾患とは弱い関連性がみられるだけであった。どちらの研究においても、ボディ・マス・インデックス(BMI)またはウエスト周囲径、血中トリグリセリド値、高血糖はいずれも糖尿病のリスク増大と関連していたが、心血管疾患との関連は認められなかった。

この論文に関する論説著者は、メタボリックシンドロームの診断概念(utility)の有益性を疑問視し、糖尿病および心血管疾患のリスクを有する者の健康維持に対して、危険因子(リスクファクター)の集積およびインスリン抵抗性の関与についてさらに理解を深めることが、メタボリックシンドロームとの診断を行うよりも有用であると述べている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)    Editorial

米国高血圧学会(ASH)レポート:就寝時のアスピリン服用に降圧効果

HealthDay News 5月15日

高血圧前症(prehypertension)の人では、就寝時のアスピリン服用により有意な血圧下降がみられるのに対し、朝起床時の服用では降圧効果はみられないとの研究結果が、米ニューオーリンズで開催された米国高血圧学会(ASH)年次集会で発表された。

スペイン、ビーゴ大学(ビーゴ市)のRamon C, Hermida氏は、高血圧前症(収縮期血圧120〜139mmHgまたは拡張期血圧80〜89mmHg)を有する244人を、①起床時にアスピリン100mg錠を服用し、生活習慣の改善指導を受ける群、②就寝時にアスピリンを服用し、生活習慣の改善指導を受ける群、③生活習慣の改善指導のみを受ける群−の3群に割り付けた。血圧は、介入前のベースラインと治療3カ月後の時点において、48時間にわたり一定の時間間隔で測定した。

就寝時のアスピリン服用群では、収縮期血圧は平均5.4mmHg、拡張期血圧は3.4mmHg下降した。この血圧下降は活動時間中と睡眠中のどちらにも一貫してみられた。起床時のアスピリン服用群や生活習慣改善のみの群では、自由行動下血圧(ambulatory blood pressure)に低下はみられなかった。

発表者のHermida氏は「これらの結果は、身体の概日(サーカディアン)リズムの影響を軽視できないことを示している。高血圧前症の人々において、服薬時間に配慮した薬物投与の有益性は、現在に至るまでほとんど知られていなかった」と見解を述べている。

Abstract #163    More Information

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 禁煙ガイドブック「PASSPORT to STOP SMOKING」第3版のご案内


  

禁煙ガイドブック「PASSPORT to STOP SMOKING」が第3版に改訂されました。禁煙補助薬バレニクリンの情報を加えた他、最新の喫煙に対する社会的情勢や保険適用による禁煙治療などを易しく説明しています。患者様に禁煙指導をする際の教材として、また患者様が自分で禁煙する際のセルフヘルプ教材としてご活用ください(有償でのご提供となります)。

→ 禁煙ガイドブック(第3版)のお申し込みはこちら



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 勤務医師賠償責任保険」の更新ならびに新規加入のご案内


<団体契約「勤務医師賠償責任保険」の募集が始まります(〜7月31日まで)。
 期間外のお受け付けはできません。ご注意ください。
 詳細・お申し込み手続は2008年6月初旬にご送付いたします書類をご確認ください。>


会員の皆様には団体契約による「勤務医師賠償責任保険」に多数ご加入いただいております。
団体契約(保険料割引適用)の更新・新規加入締切は2008年7月31日です。
(保険始期は2008年8月1日)
締切日までにお手続き忘れのないよう、くれぐれもご注意ください。


→ 「勤務医師賠償責任保険」ご案内はこちら


詳細は下記にお問い合わせ下さい


 

<取扱代理店>
株式会社カイトー
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル
TEL: 03(3369)8811     FAX: 03(3369)3120
E-mail: med.lia-ins@kaito.co.jp

 

 


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