JCS Newsletter

 

Vol.40 (2008.8.12)

  • World Circulation News PLUS

  • MDCTに関する施設基準が緩和されました

  • 採択論文のオンラインジャーナル早期掲載の
    サービス開始について

  • Case Reportの取り扱い中止に向けて

  • JCSブース出展のご案内


MDCTに関する施設基準が緩和されました。詳細は記事本文をご覧下さい。

 

JCS2009


◆JCS2009〜第73回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

米国臨床内分泌医協会が糖尿病前症に対する治療ガイドラインを発表

HealthDay News 7月24日

糖尿病前症(pre-diabetes)患者では、積極的なライフスタイルの管理、薬物療法、あるいはこれら双方が、顕性糖尿病および心血管疾患の発症リスクを低減させるために必要であるとの合意声明が、7月23日にワシントンD.C.において米国臨床内分泌医協会(AACE)から発表された。

糖尿病前症から顕性糖尿病への進展を予防する承認薬はないため、AACEは、米国政府の糖尿病予防プログラムによる食事および運動のガイドライン(指針)から開始する2段階の対応法を推奨している。ライフスタイルの改善をしても心血管疾患の危険因子を十分に軽減できないケースでは、血糖管理用の薬剤とは別個に、血圧異常や血清コレステロール異常をコントロールする薬剤の使用を提言している。

糖尿病前症とは、糖尿病に近似した血糖値、高血圧、異常な脂質プロファイルを有するものと定義される。米国疾病管理予防センター(CDC)の最近のレポートによると、米国人の5,600万人以上が糖尿病前症であるが、大部分がそのことに気づいていない。

米Scripps糖尿病研究所(カリフォルニア州ラホヤ)のDaniel Einhorn氏は、声明の中で「糖尿病前症には重症度のスペクトルがあることが判明しており、最重症例では既に2型糖尿病と診断された人に近似したリスクが存在する。例数は少ないが、これらのハイリスク群が強化ライフスタイル療法に失敗した場合、薬物学的治療戦略の選択が適切であろう。何はともかく、糖尿病リスクのあるすべての人は危険因子の程度を認識し、顕性糖尿病発症および心血管疾患の発症リスクを低減させるために、行動をとるべきである」と述べている。

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組織工学的歩みの進展‐臍帯血由来前駆細胞を用いてマウスで血管網形成

HealthDay News 7月21日

臍帯血由来の前駆細胞を用いて人工的血管網(ネットワーク)がマウスにおいて構築されたことから、組織工学による治療的血管再生を目指すゴールに一歩近付いたとの研究論文が、「Circulation Research」7月18日号に掲載された。

ボストン小児病院のJuan M, Melero-Martin氏らは、免疫不全マウスに、末梢血および骨髄から採取したヒト血管内皮細胞と間葉系前駆細胞を同時移植した。

移植1週後、赤血球を含む広範なヒト血管網形成が認められ、宿主血管系との機能的な血管吻合が急速に形成されたことが示唆された。4週後でも、人工的血管網はまだ存在していた。

著者らは「出生後の生体から非侵襲的方法で採取した前駆細胞から、長期的に存続する微小血管網が急速に形成されたことは、組織血管再生の臨床的戦略の展開において重要な前進である。このヒト血管新生のマウスモデルは、微小血管形成と病理学的血管新生反応における細胞および分子レベルでの研究、さらには、組織工学により作成したヒト組織および器官での血管新生を亢進させる戦略発展のための、理想的な検討モデルとなる」と述べている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)

心原性肺水腫において非侵襲的換気療法は短期死亡率を改善しない

HealthDay News 7月9日

急性心原性肺水腫患者において、非侵襲的換気療法は呼吸窮迫の症状を改善するが、短期的な死亡率は改善しないとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」7月10日号に掲載された。

英エジンバラ王立病院のAlasdair Gray氏らは、急性心原性肺水腫の患者1,069人を、無作為に標準的酸素療法、非侵襲的な持続陽圧換気療法または間欠的陽圧換気療法に割り付けた。

その結果、非侵襲的換気療法の2群では標準酸素療法群に比べて、患者申告による呼吸困難、心拍数、アシドーシス、高炭酸ガス症において有意の改善がみられたが、気管内挿管施行、集中治療室への移動、心筋梗塞の頻度は同程度であった。しかし、7日目の時点での死亡率、7日以内の死亡または気管内挿管施行については、いずれの非侵襲的換気療法群とも改善はみられなかった。治療関連の有害作用は認められなかった。

Gray氏らは「急性心原性肺水腫患者において、非侵襲的換気療法は標準的酸素療法に比べて、呼吸窮迫症状や代謝障害をより迅速に改善するが、短期死亡率に対する改善効果は認められない」と結論している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)

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World Circulation News (WEB)
AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。


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 MDCTに関する施設基準が緩和されました


平成20年度診療報酬において新規保険収載となりましたMDCTに関する施設基準については、日本循環器学会として緩和を要望していたところですが、2008年7月10日付の疑義解釈(問19)において、施設基準の緩和が示されています。各位に於かれましては、ご確認いただきますようお願いいたします。

疑義解釈資料原文につきましては、下記厚労省ホームページから「疑義解釈資料の送付について(その3)」をご覧ください。

→こちらからご確認下さい

(以下、問19のみ抜粋)--------------------------------------

(問19) 区分番号E200コンピューター断層撮影の注4冠動脈CT撮影加算及び心臓MRI撮影加算について、画像診断管理加算2の基準を満たしてはいないが、当該画像診断を行うに十分な体制がとられている場合、算定できないのか。

(答) 画像診断管理加算1を算定しており、かつ、循環器疾患を専ら担当する常勤の医師(専ら循環器疾患の診療を担当した経験を10年以上有するもの)又は画像診断を専ら担当する常勤の医師(専ら画像診断を担当した経験を10年以上有するもの)が合わせて3名以上配置されている医療機関においては、画像診断管理加算2に関する施設基準に準じるものであり、当該施設基準を満たすものとして差し支えない。



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 Circulation Journal:採択論文のオンラインジャーナル早期掲載のサービスを開始します


Circulation Journalでは、現在のオンラインジャーナルに加えて、2008年8月26日より、採択論文の早期掲載のサービスをスタートします。
採択後の著者校正が完了した論文のうち、掲載準備が完了したものから順次アップします。どうぞ、ご活用下さい。



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 Circulation Journal:Case Reportの取り扱いを中止します


Circulation Journalでは、2008年10月末をもってCase Reportの受付を中止することとなりました。
既に投稿されたCase Reportはこれまで通り取り扱いますが、11月以降は新規のCase Reportの受付は認められません。
本誌の学術的レベルを高めることを目指す編集委員会の決定です。ただし、少数例による臨床論文でも学術的インパクトが高いと認められる論文は、原著論文(Clinical Investigation、またはRapid Communication)として取り扱います。



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 JCSブース出展のご案内


日本循環器学会では、学会活動広報のため、ブースを出展します。
下記の学会にご参加される際はぜひ日本循環器学会ブースへお越し下さい。

●ESC2008(フランクフルト)

   

2008年8月30日〜9月2日

   

ブース番号B2-A204

●GW-ICC(北京)

   

2008年10月23日〜10月26日

   

ブース番号127

●AHA2008(ニューオリンズ)

   

2008年11月9日〜11月11日

   

ブース番号1947


なお、GW-ICC期間中に開催される第4回日中心血管フォーラムでは一般演題を募集中です。
演題受付期間: 2008年8月25日(月)迄
→演題応募要領はこちら



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発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

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