Vol.42 (2008.9.9)
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- 心臓カテーテル検査時における圧トランスデューサー
使用について」を公開しました
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第72回学術集会 記念DVDを先着350名様に無償配布いたします。お申し込み方法は下記記事をご覧ください。

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ACE阻害薬とARBの併用は主要腎転帰を悪化させる−ONTARGET study
HealthDay News 8月15日
心血管疾患の高リスク患者におけるACE阻害薬ラミプリルとアンジオテンシン-II受容体拮抗薬(ARB)テルミサルタンの併用は、各単剤投与に比べて主要な腎転帰を悪化させるとの研究結果が、「The Lancet」8月16日号に掲載された。
ドイツ、Ludwig Maximilians大学(ミュンヘン)のJohannes F. E. Mann氏らは、動脈硬化性血管疾患または末期腎不全を伴う糖尿病患者25,620人を、ラミプリル10mg/日投与群、テルミサルタン80mg/日投与群、あるいは両剤併用投与群のいずれかに無作為に割り付けた臨床試験(ONTARGET study)のデータを分析した。主要腎転帰は透析導入、血清クレアチニン値の倍加および死亡であり、追跡期間の中央値は56カ月であった。
主要腎転帰の発生率は、各単剤投与群でほぼ同じであったが、併用投与群において有意な発生率の増加がみられた(ハザード比1.09)。eGFRの低下はラミプリル単独群で他群に比べて少なかった。尿中アルブミン排出量の増加はテルミサルタン単独群および併用群において少なかった。
本論文に関する論説の著者は「これらの知見は、血圧管理のための降圧薬治療および慢性腎臓病(CKD)における蛋白尿低減のための治療の一環として、レニン-アンジオテンシン(A-A)系を抑制する薬剤の使用を推奨する、従来の診療ガイドラインを支持するものである。これらのデータはガイドラインの変更をもたらすものではない。しかしながら、低リスクCKD患者において、A-A系抑制を目的とした併用療法には注意(警告)を要することは明らかである」と述べている。
本研究はベーリンガー・インゲルハイム社からの資金提供を受け、著者数人および論説者の一人がベーリンガー・インゲルハイム社および他の企業との財務関係を明らかにしている。
Abstract
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Editorial
現行ガイドラインから逸脱した心臓再同期療法の使用
HealthDay News 8月14日
心臓再同期療法(CRT)の使用は、医療施設や地域により異なり、新規にCRTを受ける患者の多くが現行のガイドラインを逸脱しているとの調査結果が、「Circulation: Journal of the American Heart Association」オンライン版に8月12日掲載された。
米デューク臨床研究所(ノースカロライナ州ダーラム)のJanathan P. Piccini氏らは、米国心臓協会(AHA)のquality improvement initiative(質の改善イニシアティブ)の一環として収集された228施設、33,898人の心不全患者のデータを分析した。
その結果、4,201人がCRT治療を受けて退院していた。これらの患者は、CRT非施行患者に比べて高齢で、左室駆出率(EF)の中央値は低く、虚血性心筋症の発症頻度が高かった。EF35%以下の患者のうち4.8%が新規にCRTを植え込んで退院していた一方で、新規にCRTを植え込んだ患者の10%はEF35%を超えていた。CRT新規植え込みの頻度は施設による差が大きく、地域や患者の人種による差も認められた。
著者は「左室機能低下、QRS幅拡大、クラスⅢおよびⅣの心不全患者においてCRTは(エビデンスレベルが)クラスⅠの推奨度ではあるが、CRT実施に関しては施設間差、地域間差があり、患者の年齢や人種によっても影響を受けていることが考えられる。さらなる研究を行い、患者、医師、医療機関レベルにおけるCRT実施の差の要因を明らかにするとともに、心不全の診療においてはエビデンスに基づいた医療用デバイス使用の周知徹底、推進をしていくプログラムを導入する必要がある」と結論している。
本研究はグラクソ・スミス・クライン社からの資金提供を受けている。また、共著者数人は製薬企業、医療機器企業との財務関係を明らかにしている。
Abstract
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慢性冠動脈疾患患者ではPCIは短期的QOLのみ改善
HealthDay News 8月13日
慢性冠動脈疾患(CAD)患者では、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、至適(内科的)薬物療法単独と比べて、QOLの改善効果において短期的には上回るものの、長期的にはそうではないとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」8月14日号に掲載された。
COURAGE試験研究グループの米クリスティアナ・ケア・ヘルス・システムChristiana Care Health System(デラウェア州ニューアーク)のWilliam S. Weintraub氏らは、安定冠動脈疾患2,287人を、PCI+至適薬物療法群、または至適薬物療法単独群のいずれかに無作為に割り付け、狭心症特異的な健康状態、総合的な身体精神機能を評価した。試験開始後3カ月の時点で、PCI群では狭心症消失効果が有意に高く、それに伴う健康状態の改善がわずかながら認められた。総じて、試験開始後6〜24カ月間は、特に狭心症の重症例においてPCI群で高い有益性が認められた。しかし36カ月の時点では、両群間で健康状態における有意な差は認めなかった。
同誌の論説では「COURAGE試験は、安定狭心症患者の管理における至適薬物治療およびPCIの現在の役割を改めて明確にした。どちらかが優れているということではなく、COURAGE試験は、両方の治療戦略が患者の健康状態に明らかにポジティブな効果をもたらすことを証明しており、さらに至適薬物療法を1st-line治療法とし、薬物が無効あるいは重症の症状を有する患者に対してはPCI施行という補完的関係にあることを示唆している」と述べている。
両研究の研究者および論説著者は、製薬企業からの財務的援助を受けていることを明らかにしている。
Abstract - Weintraub
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Abstract - Kastrati
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Editorial
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World Circulation News (WEB) AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。
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2008年3月に福岡で開催されました「第72回日本循環器学会総会・学術集会」を記念して、美甘レクチャー、真下記念講演、会長講演、特別講演をはじめ、15項目、演者226名(延べ人数)におよぶ内容を収録した記念DVDを発行いたします。
この記念DVDを、先着350名の会員の皆様に無償でご提供します。学会ホームページから申込用紙をダウンロードし、2008年9月19日(金)午後5時までにFAXにてお申込みください。
なお、配布は会員限定とさせていただきますとともに、先着350名様に達し次第締め切らせていただきますので何卒ご了承ください。
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「心臓カテーテル検査時における圧トランスデューサー使用について」を公開しました |
標記の件につきまして、日本循環器学会・日本心臓病学会の共同見解をとりまとめました。会員各位におかれましては、内容をご確認いただきますようよろしくお願いいたします。
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発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/
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