JCS Newsletter

 

Vol.47 (2008.11.25)

  • World Circulation News PLUS

  • ガイドライン発刊のご案内

  • 循環器専門医認定更新のお知らせ


循環器病の診断と治療に関するガイドラインを11月25日よりHPにて公開します。詳細は下記記事をご覧ください。

 

JCS2009


◆JCS2009〜第73回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


 

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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

非心臓手術ではβ遮断薬治療の有益性なし

HealthDay News 11月11日

非心臓手術を受ける患者においては、β遮断薬治療は死亡や心不全のリスクを明確には減少させないとの研究論文が、「Lancet」11月11日号に掲載された。

米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のSripal Bangalore氏らは、非心臓手術を受ける患者における周術期β遮断薬使用について文献レビューによる検討を行った。患者数12,306人に及ぶ33件の研究をレビューし、30日時点での全死亡、心血管死、心不全、および他の転帰に関するデータを抽出した。

その結果、β遮断薬は全死亡、心血管死、または心不全のリスクの有意の低下とは関連性はなかった。しかし、非致死的心筋梗塞(オッズ比0.65、治療必要数 [number needed to treat: NNT] 63)、および心筋虚血(オッズ比0.36、NTT 16)ではリスク低下と関連があり、非致死的脳卒中(オッズ比2.01、有害必要数 [number needed to harm: NNH] 293)ではリスク増加がみられた。さらにβ遮断薬は、治療を要する周術期の徐脈および血圧低下のリスク増大との関連性がみられた。

著者らは「β遮断薬の投与が非心臓手術患者の周術期臨床転帰を改善するというエビデンスは得られなかった。ACC/AHAのガイドライン委員会は決定的なエビデンスが得られるまでは、この介入法に対する推奨のレベルを下げるべきである」と述べている。

共著者の一人は、複数の製薬企業との財務関係を明らかにしている。

Full Text    Editorial

AHAリポート:血管内皮前駆細胞(EPC)捕獲ステントがDESの代替となる可能性

HealthDay News 11月11日

血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell: EPC)を捕獲する新しいタイプのステントが、1年間の臨床試験で優れた成績を示し、薬剤溶出性ステント(DES)の代替法として有望であるとの2件の研究結果が、ニューオーリンズで開催された米国心臓協会(AHA)学術集会で発表された。

第一の研究は、ドイツの心臓病専門病院(Cardiology Practice and Hospital、ミュンヘン)のSigmund Silber氏らによるもので、世界各地の144施設から募集された患者5,000人を対象としている。患者は、循環血液中の血管内皮前駆細胞と結合して組織の治癒を促進する抗体の層で被覆された、EPC捕獲ステント(EPC-capturing stent)を用いて治療を受けた。最初の1,640人の患者評価により、安全で有効であることが非糖尿病患者ならびに糖尿病患者においても示された。

第二の研究は、オランダ、アムステルダム大学アカデミック・メディカルセンター(AMC-UvA、アムステルダム)のMargo Klomp氏らによるもので、冠動脈狭窄に対しEPC捕獲ステントを用いて治療した257人について検討。1年間のフォローアップ後、重篤な心イベント発生率は11.4%であった。

Klomp氏は「この単一施設での研究において、主に複雑(多枝)病変に対してGenous TM EPC捕獲ステントを用いて経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した結果、優れた1年時臨床転帰が得られている。さらに、このステントの使用により、長期的抗血小板薬2剤投与を避けられる」と述べている。

Genous TM EPC捕獲ステントは中国(香港)OrbusNeich社製である。

Abstract - Silber    Abstract - Klomp   

AHAリポート: 臍帯血から組織工学的に作製された心臓弁は障害弁との置換が可能に

HealthDay News 11月1日

心臓弁に成長する臍帯血(umbilical cord blood)由来細胞が、将来的には障害心臓弁の弁置換に用いられる可能性を示唆する研究が、米ニューオーリンズで開催された米国心臓協会(AHA)学術集会で発表された。

ドイツ、ミュンヘン大学病院のRalf Sodian氏らは、臍帯血からCD133陽性内皮前駆細胞を純化、凍結した。12週後、その細胞を用い、生体分解性ポリマー製の心臓弁の足場(scaffold)を被覆し、パルス複製法(pulse duplicator system)で培養した。

細胞は凍結後も生物活性を有しており、筋線維芽細胞様の形態をし、機能的内皮細胞として妥当な細胞マーカーを発現していた。組織工学的に作製された心臓弁には、足場の内外部間に結合組織を有する内皮化層のある組織構造が形成されていた。また、組織工学的に作製された心臓弁はコラーゲン、デスミン、ラミニン、αアクチンなど内皮細胞マーカーを発現していた。電子顕微鏡による観察では、細胞は小孔内へと成長し、集合組織層を形成しており、生化学的検討では細胞外基質の形成がみられた。

Sodian氏らは「この研究は、臍帯血由来CD133陽性細胞を基盤としたヒト心臓弁が、in vitroにおいて生育(生存)可能な状態で発生することを示している。これらの知見から、胎児期に先天性心疾患と診断された小児患者のための細胞バンク(cell bank)創設の潜在的な有益性が示唆される。」と結論している。

Abstract    More Information

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World Circulation News (WEB)
AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。


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  ガイドライン発刊のご案内


循環器病の診断と治療に関するガイドラインを下記内容で、11/25(火)からホームページにて公開いたします。
   ※■・・・Vol.72 SupplementⅣとして2008年12月25日発刊予定
      □・・・学会ホームページでのみ公開

■ ペースメーカー、ICD、CRTを受けた患者の社会復帰・就学・就労に関するガイドライン
■ 冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン
■ 血管炎症候群の診療ガイドライン
□ 心房細動治療(薬物)ガイドライン(2008年改訂版)
□ 感染症心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
□ 川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン(2008年改訂版)
□ 心疾患患者の学校、職域、スポーツにおける運動許容基準に関するガイドライン(2008年改訂版)

11/26以降順次公開予定
■ 急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療ガイドライン
■ 脳血管障害、腎機能障害、末梢血管障害を合併した心疾患の管理に関するガイドライン
□ 非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン(2008年改訂版)

ガイドライン(PDF版)はこちらでご覧いただけます。


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  循環器専門医認定更新のお知らせ


1994年度、1999年度、2004年度認定循環器専門医をお持ちの方へ】
11月14日に2009年4月1日専門医認定更新予定者へ「更新申請書」を発送いたしました。詳細につきましては、ホームページの「認定更新に関するご案内」をご確認ください。
認定更新申請書提出の締切りは12月15日(月)必着です。
※ご住所を変更されている場合は至急事務局までご連絡ください。

1990年度、1995年度、2000年度、2005年度認定循環器専門医をお持ちの方へ】
11月14日に「単位通知書」を発送いたしました。2008年10月31日現在の単位数をご確認ください。ご住所を変更されている場合には、ホームページ「住所変更」よりお手続きをお願いいたします。



JCS Newsletterのバックナンバーをこちらのページでご覧いただけます。

ご意見・ご感想、配信先の変更・中止等は下記のアドレスまでご連絡ください
news-m@j-circ.or.jp

発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

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