Vol.51 (2009.2.10)
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BNP値は心不全治療の優れた指針とはならない
HealthDay News 1月27日
心不全治療の指針にN末端脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値を用いても、症状を指針とした治療以上に、全臨床転帰あるいは患者の生活の質(QOL)の改善効果は得られないとの研究論文が、「JAMA(Journal of the American Medical Association)」1月28日号に掲載された。
スイス、バーゼル大学病院のMatthias Pfisterer氏らは、2種類の心不全治療指針に基づき、治療開始後18カ月における転帰を比較する多施設無作為化比較対照研究を行った。収縮不全を呈し、N末端BNP値が正常上限の2倍以上の患者499人(60歳以上)を、無作為に症状低減治療群またはBNP低下治療群に割り付けた。
その結果、両群とも18カ月間の全原因による非入院生存率(18-month survival free of all-cause hospitalization)は同じであった(BNP指針群41% vs.症状指針群40%)。また、18カ月の試験期間中の全般的なQOLの改善度も両群間で同様であった。
同誌の論説著者は「BNP値は治療ガイドにおける有用なツールであることが証明される一方で、心不全患者の転帰改善において最も課題となるのはBNPを低下させる方法かもしれない」と述べている。
本研究は一部、製薬企業数社の資金提供により行われた
Abstract
Full Text
Editorial
マルチスライスCTは心内膜炎の弁異常評価に有用
HealthDay News 1月27日
マルチスライスCTは、経食道心エコー検査や術中所見に比し、心内膜炎を疑われる患者において弁異常の検出に有効であるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology」2月3日号に掲載された。
オーストリア、インスブルック医科大学のGudrun M. Feuchtner氏らは、感染性心内膜炎が疑われた患者37人において弁異常を評価するために、マルチスライスCT、経食道心エコー検査、術中所見の有用性を比較検討した。
その結果、顕性の弁異常は、経食道心エコーとの比較で、マルチスライスCTでは感度97%、特異度88%、陽性的中率97%、陰性的中率88%で検出された。疣贅(ゆうぜい)、膿瘍、仮性心室瘤の検出精度は、CT、経食道心エコーとも同程度であった。術中所見との比較では、マルチスライスCTは弁疣腫患者の96%、また膿瘍や仮性心室瘤患者の100%を同定できた。
Feuchtner氏らは「マルチスライスCTは、感染性心内膜炎における弁異常の検出に良好な成績を示しており、術前評価や術前の冠動脈疾患除外に適用が可能である」と結論している。。
Abstract
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ワルファリン関連遺伝子型検査は費用対効果が低い
HealthDay News 1月22日
ワルファリン治療開始前の遺伝子型検査は、ハイリスク患者群においてのみ費用対効果があり、非弁膜症性心房細動を有する典型的な患者では費用対効果が認められないとの研究論文が、「Annals of Internal Medicine」1月20日号に掲載された。
米シンシナチ大学医療センターのMark H. Eckman氏らは、標準的ワルファリン投与法と遺伝子型検査指針下投与の費用対効果を比較検討した既存のデータをレビューした。データは、新規に非弁膜症性心房細動と診断され、ワルファリン治療に禁忌のない69歳男性を基礎ケースとして用いた。
その結果、1質調整生存年数(QALY) を得るための遺伝子型検査の費用は170,000ドル(約1,500万円)超であり、遺伝子検査の費用対効果はワルファリン投与例の10%のみに認められた。遺伝子型検査を出血ハイリスク群のみに限定するか、あるいは検査費用が200ドル未満かつ24時間以内に施行でき、さらに大出血が32%以上予防可能であれば、1QALYにつき50,000ドル(約450万円)未満となり費用対効果が認められた。
著者らは「人口集団の観点から、米国では約30万人の患者が毎年ワルファリン治療を開始しており、我々の成績では、遺伝子型検査指針に基づく投与により、最初の1年間で大出血イベントを300件予防できるが、実費用(net cost)は1億1,300ドル(約102億円)となる」と述べている。
論文著者の一人は製薬企業との財務関係を申告している。
Abstract
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