Vol.56 (2009.4.28)
- World Circulation News PLUS
- 重要!専門医認定更新研修の必修化について
- 心臓移植適応検討症例の予後調査結果について
- Translational Research振興事業
- 登録事項の変更について
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【重要】
循環器専門医認定更新の際に所定の研修が必修となりました。
詳細は記事をご覧ください。

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喫煙が抗血小板凝集薬の効果を増大する
HealthDay News 4月9日
心臓発作(心筋梗塞)の既往歴患者で、1日最低半箱のたばこを喫煙している者では、クロピドグレルの有効性が増大するとの研究論文が、「Journal of the American of College Cardiology」4月14日号に掲載された。
米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のNihar R. Desai氏は、臨床試験の一部として、ST上昇型心筋梗塞既往歴患者3,429人において、喫煙がクロピドグレルの有効性に与える影響について検討した。患者は無作為にプラセボまたはクロピドグレル投与群に割り付けられた。喫煙がクロピドグレルを活性化させる酵素を誘導することは判明しており、初期研究でも1日最低10本の喫煙が血小板凝集阻害を増大させることが示されている。
今回の検討の結果、クロピドグレルは、梗塞関連動脈の閉塞、冠動脈造影前の死亡または心筋梗塞発症率の低減に有効であったが、特に1日最低10本を喫煙していた患者1,491人においては、クロピドグレルの有効性はより高かった(調整オッズ比0.49 vs. 0.72)。また、1日最低10本を喫煙していた患者において、クロピドグレルは、30日以内の心血管疾患死亡、心筋梗塞、あるいは緊急冠動脈再形成術のリスクを低減させる上でより有効であった(調整オッズ比0.54 vs. 0.98)。
Desai氏らは「喫煙はクロピドグレルの血管造影および臨床上の転帰に対する有益な効果をポジティブに修飾すると考えられる。本研究は、クロピドグレルの代謝に影響を与える一般的な臨床的要因が、臨床的有効性に影響を及ぼす可能性を示している」と結論している。
本研究は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の資金提供を受けている。著者の多くは、製薬企業やバイオテクノジー企業から助成金あるいは謝礼金を受け取っていることを報告している。
Abstract
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成人においても褐色脂肪細胞が存在し、活性を有している
HealthDay News 4月8日
哺乳類の小動物において体温維持機能の働きをする褐色脂肪細胞が、ヒト成人においても存在し、軽度の寒冷曝露後に活性が高くなり、このことはエネルギー消費の調節を目的としていることを示唆するとの3件の研究論文が、「New England Journal of Medicine」4月9日号に掲載された。
第一の研究では、オランダ、マーストリヒト大学のWouter D, van Marken Lichtenbelt氏らは、放射性標識フルオロデオキシグルコース(FDG)画像を用いて、褐色脂肪組織の活性を24人の健常若年男性(痩身者10人、過体重または肥満者14人)において検討した。その結果、軽度の寒冷曝露(16℃)期間にのみ、男性被検者のうち23人に褐色脂肪組織の活性を認めた。活性は過体重または肥満男性においては有意に低かった。
第二の研究では、米ジョスリン糖尿病センター(ボストン)のAaron M. Cypess氏らは、患者1,972人において放射性標識FDG画像を用い、前頸部から胸部領域において一定量の褐色脂肪組織の存在を認めたが、女性のほうが男性よりも2倍以上存在していた。
第三の研究では、フィンランド、トゥルク大学のKirsi A. Virtanen氏らは、健常ボランティア5人において放射性標識FDG画像を用い、一定量の代謝活性を有する褐色脂肪組織の存在を確認した。
米国立糖尿病・消化器・腎疾患研究所(メリーランド州ベセスダ)のFrancesco S. Celi氏は「これらの研究に共通する事項は、ヒト成人においても褐色脂肪組織は存在し、活性を有しており、その存在と活性は脂肪(肥満)症およびメタボリックシンドローム指標と逆の関連性をもつということである」と論説で述べている。
Abstract-van Marken Lichtenbelt
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Abstract-Cypess
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Abstract - Virtanen
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Editorial
心筋細胞はヒトにおいて生涯を通じて再生する
HealthDay News 4月3日
心筋細胞は出生後もヒトの生涯を通じて再生(renew)されるとの研究論文が、「Science」4月3日号に掲載された。またこれに関連して、「Cell Stem Cell」4月3日号に掲載された研究では、外科的に心筋梗塞を作成したマウスにおいて、DPP-IV阻害と顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)との併用療法により、心臓への幹細胞集積増大と新生血管形成の増大、生存率および心機能の改善を認めている。
スウェーデン、カロリンスカ研究所(ストックホルム)のOlaf Bergmann氏らは、ヒト心筋細胞DNAの14C測定を行い、細胞の年齢を検討した。1955年の核爆弾実験開始前後で各個人から採取した遺伝子DNAを解析することにより、心筋細胞は出生後も再生していることが明らかになった。心筋細胞は25歳時までに約1%がターンオーバー(入れ替わり)し、その後徐々に低下して75歳時にはターンオーバーは0.45%となっていた。しかし、通常の生涯期間での心筋細胞のターンオーバーは50%未満であった。
もう一つの研究では、ドイツ、ルートヴィヒ‐マクシミリアン大学(ミュンヘン)のMarc-Michael Zaruba氏らは、外科的に心筋梗塞を作成したマウスにおいて、間葉細胞由来因子(stromal-cell derived factor)のタイプ1であるSDF-Iによりもたらされる、内皮前駆細胞として知られる幹細胞の傷害心筋組織へのホーミングを、SDF-I分解促進蛋白であるCD26/ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)の阻害により改善できるかを検討した。その結果、心臓への幹細胞の集積と新生血管形成が増大、さらに生存率と心機能の改善が認められた。
Bergmann氏らは「ヒト成人心臓での心筋細胞再生能の判明は、心臓病理学において、このプロセスの刺激を目的とした治療戦略の開発へ向けての作業を進める論理的根拠を示唆するものである」と述べている。
Abstract-Bergmann
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Abstract-Zaruba
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専門医制度委員会、理事会、2009年3月20日の評議員会の審議を経て循環器専門医認定更新の際に所定の研修が必修となりました。必修研修単位および取得期間等の詳細につきましては専門医制度委員会ホームページにてご確認ください。
→詳細はこちら
心臓移植委員会・適応検討小委員会にて、1997年3月からこれまでに心臓移植適応検討を行った症例に関する予後調査を実施しました(2008年11月〜2009年3月実施)。
調査結果を学会HPにて公開していますのでご確認ください。各施設のご協力をいただきましてありがとうございました。
→「2008年度心臓移植適応検討症例の予後調査について」
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Translational Research振興事業
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日本循環器学会学術委員会では、数多くの診療ガイドライン策定や臨床研究推進に取り組んでおりますが、2009年度よりこの活動をさらに発展させ、最近の再生医学の進歩も含めて、臨床応用に後一歩の所迄来ている最先端の基礎的研究あるいはtranslational researchを日本循環器学会として支援し、海外に先駆けてデータを発信して行きたいと存じます。国の施策として最先端の再生医療、医薬品開発等を念頭に置いた「先端医療開発スーパー特区」構想も出されており、公的資金導入のための支援策にもなるような、先端医療研究拠点設置等も学会主導で進められればと考えております。
本振興事業は、学会としての研究支援事業の一環として位置づけられるものでもあります。応募については下記をご確認ください。
→「Translational Research振興事業」
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