JCS Newsletter

 

Vol.60 (2009.6.23)

  • Circulation Journal 2008年 Impact Factor 発表

  • 「重篤副作用疾患別対応マニュアル」について

  • 第73回学術集会(2009年3月・大阪)DVD-ROMのご案内

  • World Circulation News PLUS


Circulation Journal 2008年 Impact Factor が発表されました。

 

JCS2010


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  Circulation Journal 2008年 Impact Factor 発表


2008年のImpact Factorは、2.387でした。昨年の2.373より更に上昇しました。


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  「重篤副作用疾患別対応マニュアル」について


厚生労働省が2005年度から実施している重篤副作用総合対策事業において、日本循環器学会学術委員会(電気生理/不整脈部会、心不全部会)が作成した下記の重篤副作用疾患別対応マニュアルが2009年5月25日にホームページに掲載されましたので、お知らせいたします。

  ・心室頻拍(Torsades de pointesを含む)
  ・うっ血性心不全

厚生労働省ホームページ: http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/tp1122-1k.html


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

貧血は慢性心不全患者の予後を悪化させる

HealthDay News 6月4日

慢性心不全患者では貧血を合併すると予後が悪化し、入院率および死亡率は貧血の重症度に関連するとの研究成績が、「Congestive Heart Failure」5/6月号に掲載された。

オーストラリア、チャールズ・スタート大学(ニューサウスウェールズ州ウォガウォガ)のSheng-Wen He氏らは、慢性心不全患者総数97,699人からなる21件の研究よりメタアナリシスを行い、貧血と死亡リスクの関連性を検討した。研究対象における貧血率は10〜58%の範囲であった。

貧血ではない患者に比べて貧血の患者は、死亡の相対危険度が1.66倍高く、また、貧血の患者の方がニューヨーク心臓協会(NYHA)重症度分類のクラスが高く、左室駆出分画(EF)も低かった。

著者らは「多変量解析において、貧血は有意かつ独立した心不全による死亡または入院の予測因子であり、両者の転帰はNYHAクラスすべてにおいて貧血を有する人で有意に高くなっていた。また貧血は、高齢患者および腎機能低下、BMI低値、収縮期血圧低値、血漿ナトリウム低値の患者においてより多くみられた。本研究の成績は、慢性心不全患者における貧血のスクリーニングまたは管理の上で役立つかもしれない」と述べている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

PCIにおける出血と死亡率の関連性を検討

HealthDay News 5月29日

輸血を要する大出血は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた患者の死亡の原因となるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology」6月2日号に掲載された。

米メイヨークリニック医科大学(ミネソタ州ロチェスター)のBrendan J. Doyle氏らは、PCI後における出血、輸血、死亡リスク間における関連性についてエビデンスのレビューを行った。同氏らは、大出血と院内死亡リスク上昇との関連性を認めた研究(オッズ比3.5)および1年死亡率との関連性を認めた研究(調整オッズ比3.53)の2件の研究を引用している。また数件の研究では、輸血と死亡リスク上昇との関連を認めている。

大腿動脈経由のPCIにおける大出血のリスクスコアが公表されており、スコアには年齢、既存の貧血、および低分子量ヘパリンや糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の使用などが含まれている。大腿動脈に対し、橈骨動脈からの施行が大出血を減少させる有効な方法であると著者らは述べている。大腿動脈経由でアクセスする場合には、X線透視下、またおそらくは超音波ガイド下で血管穿刺を施行することにより重篤な合併症の予防が可能と思われる。

Doyle氏らは「しかしながら、出血や輸血を減少させる戦略が、一貫して全死亡の低下につながるか否かについては証明されていない。それに加え、PCI施行患者における輸血頻度の高さにもかかわらず、適切な輸血閾値および貯血経年数(age of stored blood)などが検討されるべき重要な問題として残されている」と結論している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

アスピリンの血管疾患の一次予防効果は不明確

HealthDay News 5月29日

血管疾患の一次予防におけるアスピリン使用は、心筋梗塞リスクを減少させる一方で、出血リスクを増大させることから、有益性に関しては不明確であるとの研究論文が、「Lancet」5月30日号に掲載された。

ATT(Antithrombotic Trialists' Collaboration)に所属する英オックスフォード大学の Colin Baigent氏らは、長期アスピリン使用と対照を比較した22件の研究のメタアナリシスを行った。うち6件は平均リスクの低い95,000人を対象に含む一次予防研究、16件は平均リスクの高い17,000人を含む二次予防研究であった。

一次予防研究においては、心筋梗塞リスクは約1/5に低下していたが、消化管および頭蓋外の出血リスクは増大していた。アスピリンによる重篤な血管イベントに関しては12%の相対的低下がみられた(アスピリン群0.51%/年 vs. 対照群0.57%/年)。二次予防研究においては、アスピリン群では重篤な血管イベントの有意な低下がみられた(アスピリン群6.7% vs. 対照群8.2%)。

著者らは「未発症例に対する一次予防においては、アスピリン投与の正味の価値は不明確であり、血管閉塞イベントの減少と大出血の増加を比較評価して判断する必要がある。さらなる研究が進行中である」と結論している。ATTのメンバー何名かは、製薬企業との財務関係を申告している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)    Editorial (subscription or payment may be required)   

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