JCS Newsletter

 

Vol.67 (2009.9.8)

  • 国際交流委員会セッションのご案内

  • WCC2010演題募集のご案内

  • World Circulation News PLUS


一般演題の締切りが9月29日に迫っています。お早めに、第74回学術集会HPよりご登録ください。

 

JCS2010


◆JCS2010〜第74回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


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  国際交流委員会セッションのご案内


国際交流委員会セッション情報を更新しました。第74回日本循環器学会学術集会にてChina-Japan Cardiovascular Forum 2010、WHF-JCS Joint Sessionを開催します。是非ご参加下さい。

→詳細はこちら


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  WCC2010演題募集のご案内


World Congress of Cardiology2010(2009/6/16-19, Beijin,中国)では、現在演題を受付中です。

→こちらからご応募ください
※演題締切:9月16日


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

左主幹部冠動脈病変ではベアメタルステントに比べて薬剤溶出性ステントの有益性が勝る

HealthDay News 8月20日

未治療の左冠動脈主幹部病変(ULMCA)に対する、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の薬剤溶出性ステント留置は、ベアメタルステント留置に比し心血管イベントおよび脳卒中のリスクを低下させるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology」オンライン版8月19日号に掲載された。

ポーランド、シレジア医科大学(カトビツェ)のPawel E. Buszman氏らは、1997〜2008年の間にULMCAに対しPCIおよびステント留置を受けたLeft Main Coronary Artery Stenting Registry(左冠動脈主幹部ステントレジストリー)の患者252人を追跡した。ベアメタルステント使用患者は158人、薬剤溶出性ステント使用患者は94人であった。検討事項は、30日後、1年後、長期経過後(1〜11年、平均3.8年後)における心血管および脳血管の主要有害イベント(MACCE)であった。

その結果、PCI後30日間で死亡4件を含む12人にMACCEが発生していた。1年後、再狭窄が17人に生じ、長期的にはMACCE 64件と死亡35件が生じた。さらに、薬剤溶出性ステント患者では、ベアメタルステント患者に比してMACCEの発生頻度が有意に低かった(14.9% vs. 25.9%)。

著者らは「ULMCAに対する薬剤溶出性ステント留置は、長期的なMACCEリスクを低減させ、特に遠位ULMCA患者における生存率を向上させる。これらの知見は有望であり、ULMCA患者を対象とした、より大規模な薬剤溶出性ステントまたは冠動脈バイパス術無作為化、長期追跡試験の必要性を支持している」と述べている。

Abstract    Full Text    Editorial   

心房細動患者に対して左心耳閉鎖がワルファリンの代替療法に

HealthDay News 8月14日

脳卒中リスクを有する心房細動患者は、長期的ワルファリン療法の代替法として経皮的左心耳(LAA)閉鎖術が有益であるとの研究論文が、「Lancet」8月15日号に掲載された。

米メイヨークリニック医科大学(ミネソタ州ロチェスター)のDavid R. Holmes氏らは、非弁膜症性心房細動患者で、年齢75歳以上、脳卒中あるいは一過性脳虚血発作、うっ血性心不全、糖尿病、高血圧の既往歴のある患者707人を研究対象に組み入れた。患者は、LAA経皮的閉鎖術とワルファリン投与中止群(介入群)、または通常のワルファリン治療群(対照群)に無作為に割り付けられた。研究のエンドポイント(評価項目)は、脳卒中、心血管死、および塞栓症の複合とした。

追跡期間1,065患者-年の後、有効イベント(efficacy event)率は経皮的LAA閉鎖群では3.0 /100患者-年、対照群では4.9 /100患者-年であった。ワルファリン治療に対するLAA閉鎖術の非劣性確率は99.9%以上と算定された。有害事象は、LAA閉鎖群で対照群に比べ多く生じた(7.4 /100患者-年vs. 4.4 /100患者-年)。

著者らは「経皮的LAA閉鎖群では、対照群に比して安全性における有害事象が高い割合でみられたが、介入群のイベントは主として周術期合併症の結果であった。非弁膜症性心房細動患者において、経皮的LAA閉鎖は脳卒中予防のための長期的ワルファリン療法の代替戦略になり得る」と述べている。

本研究は、WATCHMAN左心耳デバイスの製造会社であるAtritech社の資金提供を受けている。著者の1人とメイヨークリニックはAtritech社との利害関係の可能性を申告している。他の著者1人はAtritech社の顧問企業との財務関係を申告している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

心臓検査においてMRIが侵襲的血管造影や放射線被曝を伴う画像検査の代替に

HealthDay News 8月14日

心血管MRI検査(CMR)を用いた患者検査は、数種類の主要な心血管疾患に対して適応となり、診断および患者管理において一定の影響力を有するとの研究論文が、「Journal of the American College of cardiology」8月12日号に掲載された。

ドイツ、エリザベート病院(エッセン)のOliver Bruder氏らは、欧州心血管核磁気共鳴レジストリー(European Cardiovascular Magnetic registry)に登録されたメディカルセンター20施設の患者11,040人を対象に、CMRのルーチン使用について、使用適応、画像の質、安全性、患者管理への影響を検討した。

その結果、CMRの適応には心筋炎および心筋症(32%)、冠動脈疾患および虚血の疑いのある症例でのリスク評価(31%)、心筋バイアビリティーの評価(15%)が含まれていた。CMR画像の質では、良好90.1%、中等度8.1%、不満1.8%であった。患者管理への影響は62%の症例でみられ、CMRをベースとした最終診断の16%においてMR施行前の診断とは異なるなど、管理面での大きな変更が認められた。

著者らは「さらに、冠動脈疾患が疑われる症例におけるリスク層別化のためのCMR負荷試験は、将来的にインターベンションや手術治療の対象とはならない症例おいて、診断的冠動脈造影の施行数を有意に減らせる可能性がある。それに加えて、SPECTなど電離放射線の使用を伴う約700件の非侵襲的処置が、CMR検査の結果により避けられる可能性もある」と述べている。

EuroCMR Registryはメドトロニック社、ノバルティス・インターナショナルAG社、セルビエ・ソシエテ社およびシーメンス・ヘルスケア社から制限を設けず教育資金援助を受けている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

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