JCS Newsletter

 

Vol.84 (2010.3.9)

  • 第21回循環器専門医資格認定試験 受験申請書類の請求期間です

  • 学術集会専門医研修単位の照会について

  • World Circulation News PLUS


第21回循環器専門医資格認定試験 受験申請書類の請求期間は3月1日(月)〜3月19日(金)17時までです。

 


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  第21回循環器専門医資格認定試験 受験申請書類の請求期間です


第21回(2010年度)循環器専門医資格認定試験 受験申請書類請求を受付中です。
請求期間は3月1日(月)〜3月19日(金)17時までです。請求期間後は一切受付できませんのでご注意ください。

→ご請求はこちら


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  学術集会専門医研修単位の照会について


2010年3月5日〜7日に開催されました第74回日本循環器学会学術集会での専門医研修単位については、下記URLより4月1日以降にご確認ください。
当日お渡ししております単位登録のお控えは単位登録済みの確認がとれるまで大切に保管してください。

http://www.j-circ.or.jp/information/senmoni/senmoni_tani_ref.htm


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

幸福な人が心疾患を発症する可能性は低い

HealthDay News 2月18日

幸福で前向き(ポジティブ)な人が心疾患を発症する可能性は低いとの研究論文が、「European Heart Journal」オンライン版2月17日号に掲載された。

米コロンビア大学メディカルセンター(ニューヨーク市)のKarina W. Davidson氏らは、成人1,739人における前向きな感情(前向きな情動を言語、行動、口調によって表現)の程度を聴取し、評価した。さらに、前向きな感情と冠動脈疾患(CHD)発症の関係について検討した。

その結果、前向きな感情が強い人ほど、健康状態が全般的に良好である可能性が高かった。その後の10年間で、145人(8.3%)に非致死性または致死性急性虚血性心疾患イベントが発症した。年齢、性別、心血管リスクファクター(危険因子)、後ろ向き(ネガティブ)の感情に関して調整した結果、前向きな感情が強いほど冠動脈疾患発症リスクが低かった(調整後オッズ比0.78)。既報の通り、抑うつ症状は冠動脈疾患の予測因子であったが、敵意および不安は予測因子ではなかった。

米ミシガン大学医学部(アナーバー)のBertram Pitt氏およびPatricia J. Deldin氏は添付論説において、「Davidson氏らの所見および仮説が、前向きな感情の増進の心血管リスクに関連した生理学的異常に及ぼす影響に関する今後の研究を刺激するのであれば、おそらく我々皆が微笑むであろう」と述べている。

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糖尿病発症リスクの軽度増加にスタチンが関連

HealthDay News 2月17日

スタチン療法は糖尿病リスクの軽度増加に関係するが、冠動脈イベント発症リスクの有意な低下は糖尿病発症リスクを上回るとのレビュー記事が、「The Lancet」オンライン版2月17日号に掲載された。

英グラスゴー大学のNaveed Sattar氏らは、被験者91,140人が参加した無作為(ランダム)化比較対照スタチン試験13試験のメタ分析を実施した。平均4年間の追跡調査期間に、スタチン群の被験者2,226人および対照群の被験者2,052人が糖尿病を発症した。

スタチン療法は糖尿病発症リスク増大に関係し(オッズ比1.09)、高齢者を対象とした試験において糖尿病発症リスクが最も大きかった。メタ分析の結果は、患者255人に対する4年間のスタチン投与が、糖尿病患者1人が増加につながるが、スタチン投与によってLDLコレステロール濃度が1 mmol/L減少するごとに、本患者集団において主な冠動脈イベントが5件減少することも分かった。

著者らは「スタチンによる圧倒的な心血管イベント減少効果を考慮すると、スタチン療法が推奨される患者においては、短期中期的な心疾患イベント減少効果が糖尿病発症のわずかな絶対リスクを上回る。したがって、中等度または高度の心血管リスクもしくは心血管疾患を有する患者に対しては、スタチン療法の臨床適応を変更する必要はないと提案する。しかし、心血管リスクが低い患者または心血管イベント減少効果が不明の患者に対してスタチン療法を考慮する場合は、糖尿病リスクが増大する可能性を考慮すべきである」と結論している。

本リポートでの臨床試験は、製薬業界の研究助成金による支援を受けている。著者数人は、スタチン製造販売会社との財務関係を報告している。

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スペックルトラッキング法がCRTの患者選択に役立つ

HealthDay News 2月11日

境界型QRS幅およびQRS幅拡大を示す患者において、心室(心臓)再同期療法(CRT)の効果を予測する場合、スペックルトラッキング法による半径方向非同期性収縮(radial dyssynchrony)が役立つ可能性があるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology: Cardiovascular Imaging」2月号に掲載された。

米ピッツバーグ大学のOlusegun Oyenuga氏らは、駆出分画(EF)が35%以下でCRT治療を受けた心不全患者201人のデータを分析した。患者78人は100-130 msの境界型QRS幅を示し、患者123人は130 msを超えるQRS幅拡大を示した。心室間収縮遅延(interventricular mechanical delay:IVMD)、心室中隔と左室後壁のピーク収縮時相のずれ(septal to posterior wall delay:SPWMD)に関するスペックルトラッキング半径方向ストレイン、向かい合った壁でのドプラ画像の縦速度の遅延など、幾つかの方法を用いて非同期性収縮を評価した。

その結果、IVMDおよび長軸非同期性収縮値によって、QRS幅拡大を示す患者のEF反応は予測可能であったが、境界型QRS幅を示す患者のEF反応は予測不能であった。しかし、130 ms以上のスペックルトラッキング半径方向非同期性収縮を用いることにより、QRS幅拡大または境界型QRS間隔を示す患者のEF反応が予測可能となった。

添付論説の著者らは「QRS幅が120-150 msの患者のうち、非反応者である可能性が高い患者への治療を避けるには、心エコー法が役立つ可能性がある。QRS幅が120 ms未満の患者のうち、潜在的CRT反応者の割合は低いか、非常に低いと予測しうる。本患者集団において、稀な潜在的反応者を正確に同定することは極めて重要になる。多数の偽陽性患者への治療を避けるには、特異性が高いエコー法が必須である」と述べている。

共著者1人は、医療機器製造会社数社から研究支援を受けたことを報告している。

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