JCS Newsletter

 

Vol.90 (2010.5.11)

  • 第75回学術集会各学会賞の募集開始

  • ガイドラインダイジェスト版英語版の4編が完成しました。

  • 「日本外科学会認定登録医」資格の新設および暫定措置のお知らせ

  • World Circulation News PLUS


第75回学術集会各学会賞の募集を開始致しました。募集要領は75回学術集会ホームページをご覧ください。

 

JCS2011


◆JCS2011〜第75回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


−日本循環器学会事務局からのお願い−

学会員の皆様に対しニュースメールでの更なる充実した情報提供を致したく、JCS Newsletterについての率直なご意見をお伺い致したく存じます。
お手数をおかけ致しますが、以下のURLにて、アンケートフォームをご用意致しましたので、学会員皆様のご意見をお寄せくださいますよう、お願い申し上げます。

▼JCS Newsletterについてのアンケートフォームはこちら(アンケート実施期間:4月30日〜5月30日)
http://www.j-circ.or.jp/jcsnl/enquete.htm


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  第75回学術集会各学会賞の募集開始


第75回学術集会各学会賞の募集を開始致しました。

→募集要領はこちらからご確認ください。   ※募集締切2010/9/24(金)



2

  ガイドラインダイジェスト版英語版の4編が完成しました。


学術委員会では、「日本のガイドラインを海外に発信する際に意義の高いもの」を基準にダイジェスト版を英訳することとなりました。4編分が完成し、現在公開中です。

→英文ガイドラインはこちらからご覧ください。



3

  「日本外科学会認定登録医」資格の新設および暫定措置のお知らせ


現在、循環器専門医の基本領域資格として外科系の資格をお持ちの先生は、下記のURLより日本外科学会の「日本外科学会認定登録医」資格の新設のお知らせをご確認ください。
「日本外科学会認定登録医」への資格変更が必要な循環器専門医は、暫定措置期間内に登録手続きをお願いいたします。

http://www.jssoc.or.jp/procedure/registration/info-shinsetsu.html



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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

遺伝子発現プロファイリングが心移植後の拒絶反応モニタリングに有効

HealthDay News 4月22日

拒絶反応リスクが低い心移植患者において、遺伝子発現プロファイリングを用いた拒絶反応モニタリングは、ルーチンの心内膜心筋生検モニタリングと比較した場合、同程度に有効かつ安全であり、生検回数が少なくて済むとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」オンライン版4月22日号に掲載された。本研究は、米シカゴにおいて開催された国際心肺移植学会年次集会においても公表された。

米スタンフォード大学メディカルセンター(カリフォルニア州)のMichael X. Pham氏らは、6カ月前-5年前に心移植を受けた患者602人に対し、拒絶反応のモニター法として、移植心(グラフト)機能に関する心エコー評価および臨床評価に加え、遺伝子発現プロファイリングを用いる群、およびルーチン心内膜心筋生検を用いる群のいずれかにランダム化割り付けを行った。血行動態不全を伴う拒絶反応、その他の原因による移植心機能不全、死亡、再移植を複合一次アウトカム(主要評価項目)とした。

その結果、中央値19カ月間の追跡調査において、遺伝子発現プロファイリングを受けた患者とルーチン心内膜心筋生検を受けた患者を比較した場合、複合一次アウトカムの2年間累積率は同程度であった(14.5% vs. 15.3%)。両群における2年間の全原因死亡率は、それぞれ6.3%および5.5%であった(p=0.82)。また、心内膜心筋生検群と比較して、遺伝子発現プロファイリング群では、追跡調査期間1年間における1人あたりの生検回数が少なかった(3.0回 vs. 0.5回、p<0.001)。

著者らは「6カ月以上前に心移植を受けた拒絶反応リスクが低い患者において、遺伝子発現プロファイリングを用いた拒絶反応モニタリングは、ルーチン生検によるモニタリングと比較して、重篤な有害アウトカムのリスクは増大せず、必要とされた生検回数は有意に少なかった」と述べている。

本試験は、AlloMap検査法の製造者であるXDx社の支援を受けた。スタンフォード大学はXDx社の株式を保有している。

Abstract    Full Text   

シロリムス-プロブコール溶出ステントは2年後評価において、シロリムス溶出ステント(SES)およびゾタロリムス溶出ステント(ZES)に対し同等の安全性を有する一方、有効性において優っているかもしれない

HealthDay News 4月22日

2年間の追跡調査において、新世代シロリムス-プロブコール溶出ステント(Dual-DES)の効果は、シロリムス溶出ステント(SES)およびゾタロリムス溶出ステント(ZES)と比較した場合、全期間を通じて優れており、一方、安全性プロファイルはいずれのステントも同等であるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology」オンライン版に4月21日掲載された。

ドイツ、ミュンヘン工科大学Technische Universität MunichのRobert A. Byrne氏らは、native血管のde novo病変部に対して冠動脈ステント留置術を受けた患者1,007人を2年間追跡調査した(ISAR-TEST-2試験)。患者をランダム(無作為)化し、3タイプのステント(SES、Dual-DES、ZES)のいずれかに割り付けた。追跡調査として、ステント留置術の6、8、24カ月後に血管造影を実施した。

その結果、心筋梗塞発現率または死亡率(p=0.61)もしくは明らかなステント血栓症発現率(p=0.87)に関して、有意な群間差は認められなかった。2年間の標的病変再血行再建(TLR)は、SES群では10.7%、Dual-DES群では7.7%、ZES群では14.3%であった(p=0.009)。2年間の追跡調査中でのincident TLRはDual-DES群(0.9%)において、SES群と比較して有意に低かったが(3.6%、p=0.009)、ZES群と比較した場合は同程度であった(0.7%、p=0.72)。

著者らは「ISAR-TEST-2試験において最長2年間追跡調査した結果、Cypher SES、新規のポリマー不使用シロリムス-プロブコール溶出Dual-DES、Endeavor ZESの間に安全性プロファイルの差はみられなかった。さらに、再狭窄抑制効果はDual-DESおよびZESともに1年後から2年後まで持続するが、Dual-DESの効果は2年間にわたり優位であった」と述べている。

著者2人は、Dual-DESコーティングの特許を出願している。著者3人は、コーディス社および/またはメドトロニック社(それぞれSESおよびZESの製造者)から講演料を受領している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

日本人において葉酸およびビタミンB6摂取は心血管病防止に有益である

HealthDay News 4月15日

中高年の日本人において、食事からの多量の葉酸摂取およびビタミンB6摂取は、脳卒中、冠動脈、心疾患、心不全による死亡リスクの低下に関連するとの研究論文が「Stroke」4月15日号に掲載された。

大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学のRenzhe Cui氏らは、大規模コホート研究(Japan Collaborative Cohort Study)において、食事摂取頻度調査票による調査を完遂した男女58,730人(40-79歳)のデータを分析した。被験者は、ベースライン時に心血管疾患および癌の病歴を有しておらず、中央値14年間の追跡調査を受けた。

その結果、食事からの葉酸摂取およびビタミンB6摂取に関連して、男性では心不全による死亡率の低下が、また女性では脳卒中、冠動脈疾患、全心血管疾患による死亡率の低下が認められた。心血管危険因子に関する調整を行って検討しても、あるいはマルチビタミン・サプリメント摂取者を除外して検討しても、実質的に結果は変わらなかった。

著者らは「日本人において、葉酸摂取およびビタミンB6摂取は、脳卒中および冠動脈疾患による死亡リスクと逆の連関(inverse associations)を示し、この結果は欧米人に関する既報と一致した。さらに本試験は、食事からの多量の葉酸摂取およびビタミンB6摂取が男性の心不全死亡リスクの低下と連関することを示した最初の試験である。これらの作用機序には、血中ホモシステイン濃度低下に対する葉酸摂取およびビタミンB6摂取の効果が関与している可能性がある」と述べている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

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