JCS Newsletter

 

Vol.99 (2010.8.18)

  • JCS2011 〜 第75回日本循環器学会学術集会 演題募集のご案内

  • World Circulation News PLUS


第75回日本循環器学会学術集会は現在演題募集期間中です。お早めにご登録ください。

 

JCS2011


◆JCS2011〜第75回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


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  JCS2011 〜 第75回日本循環器学会学術集会 演題募集のご案内


第75回学術集会(横浜)の演題登録を受け付けています。多数のご応募をお待ち申し上げます。
なお、プレナリーセッション・シンポジウムは演題締め切りが迫っていますので、お早めにご応募ください。

◆ プレナリーセッション・シンポジウム
      演題 新規登録締め切り : 8月25日(水) 正午 必着
      →応募要領・演題登録はこちら
※国内演者は、演題応募の時点で共同演者を含む全員が本学会会員であり、かつ2010年度会費納入者であることが必要です(入会に関するご案内はこちら)。

◆ 一般演題
      演題 新規登録締め切り : 9月29日(水) 正午 必着
      →応募要領・演題登録はこちら
※国内演者は、演題応募の時点で共同演者を含む全員が本学会会員であり、かつ2010年度会費納入者であることが必要です(入会に関するご案内はこちら)。

◆ コメディカルセッション
コメディカルスタッフであれば、日本循環器学会の会員でなくても演題応募、発表、参加ができます。奮ってご応募・ご参加くださいますようご案内申し上げます。
  ・ コメディカル シンポジウム
      演題 登録締め切り : 8月26日(木) 正午 必着
  ・ コメディカル 一般演題
      演題 登録締め切り : 9月30日(木) 正午 必着

      →応募要領・演題登録はこちら


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

冠動脈インターベンション施設への直接搬送によってSTEMIアウトカムが改善

HealthDay News 7月23日

冠動脈インターベンション(PCI)施設への直接搬送により、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)発症からバルーン施行までの時間(door-to-balloon time)の短縮とともに、1年後の死亡率を有意に低下させるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology: Cardiovascular Interventions」7月号に掲載された。

オランダ、ラドバウドRadboud大学メディカルセンター(ナイメーヘンNijmegen)のHendrik-Jan Dieker氏らは、入院前にSTEMIと診断され、同氏らのPCI施行施設(PCI center)へ直接搬送された患者と、インターベンションを施行できない施設(non-PCI center)から同氏らの施設へ転送された、合計581例の連続症例を対象に、急性期および1年後の慢性期の治療成績を比較した。

連続581例のSTEMI患者のうち、PCI centerに直接搬送された患者は454例(78%)、non-PCI centerを経由してPCI centerに転送された患者は127例(22%)であった。直接搬送された患者では、転送された患者と比較して、PCI center到着後90分以内のPCI処置 (door-to-balloon time ≤90分) を受けた患者の割合が有意に多かった(82% vs. 23%, p<0.01)。また、直接搬送された患者では、STEMI発症からバルーン施行までの時間(door-to-balloon time)の中央値も有意に小さかった(149分vs. 219分, p<0.01)。さらに、直接搬送された患者では、転送された患者と比較してPCI後、適切な冠動脈血流の再開 (Thrombolysis in Myocardial Infarction [TIMI] 分類グレード3) を得た患者の割合も多かった(92% vs. 84%, p=0.03)。これらのことからPCI centerに直接搬送された患者では、一度non-PCI centerに行ってから転送された患者に比べ1年の死亡率も有意に改善していた(7% vs. 13%, p=0.03)(J Am Coll Cardiol 2010;3:705-711)。

この論文のEditorial commentsでは「STEMI患者の入院前診断とケアプログラム(pre-hospital care)を充実させることによりPCI施行までの時間(door-to-balloon time)を少しでも早くする試みを拡大することで、STEMI患者の長期予後の改善が期待できる」と述べている(J Am Coll Cardiol 2010;3:712-714)。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)    Editorial (subscription or payment may be required)   

スタチン投与後のLDL値が非常に低いケースでは、HDL値はリスクファクターとならない : もともとLDLは低値だがhs-CRPは陽性の、健康とされる成人を対象としたJUPITER試験のサブ解析

HealthDay News 7月22日

健康と思われる成人を対象としたJUPITER試験のサブ解析において、スタチン未投与患者では高比重リポ蛋白(HDL)低値が心血管リスクの増大をもたらすが、スタチン投与により低比重リポ蛋白(LDL)が非常に低値に達した患者では、もはやHDL値はリスクレベルに関連しないとの研究論文が、「The Lancet」オンライン版7月22日号に掲載された。

米ハーバード大学医学部(ボストン)のPaul M. Ridker氏らは、JUPITER試験の患者17,802人をHDLコレステロールまたはアポリポ蛋白A1の四分位値(quartiles)に分類し、得られたデータを分析した。これらの四分位値に対し、JUPITER試験の主要エンドポイント(評価項目)である最初の非致死的心筋梗塞または脳卒中、不安定狭心症による入院、冠動脈血行再建術、心血管疾患死との関連を示すエビデンス(科学的証拠)を検討した。

今回のサブ分析において、プラセボ群においてはHDLの最低四分位値に属する患者では、HDLの最高四分位値に属する患者に比し、心血管事故発生リスクは約半分になった。しかし、ロスバスタチン投与群の患者に関しては、HDL値と心血管リスクの間に有意な関連はみられなかった。著者らは、未治療患者の初期評価においてはHDL値が有用なリスクマーカーとなるものの、スタチン投与によってLDL値が低下した場合、もはやHDL値は心血管リスクの良好な予測因子とはならないと結論した。

著者らは「健康と思われる成人を対象としたJUPITER試験のデータから、心血管事故発生リスク評価としてHDLコレステロール濃度を測定することに対し、関心を低くするべきではない。実際、プラセボ群に割り付けた患者において、HDLコレステロールは強力な逆のリスク予測因子であった。今回の健康成人を対象とした一次予防データから、スタチン療法が有効でLDL値が低下した症例においては、HDLコレステロール値によって血管イベント発生リスクを予測することが可能であるとの仮説を支持するエビデンスはほとんど得られなかった」と述べている。なおJUPITER試験は、アストラゼネカ社による支援を受けた研究である(Lancet 2010; 376:333-339)。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)    Comment (subscription or payment may be required)   

初回と1年後のCT冠動脈造影(CTA)によって、スタチン投与によるプラークの経時的な変化を描出

HealthDay News 7月16日

コンピュータ断層冠動脈造影(CTA)を用いた冠動脈プラーク評価により、経時的なプラークの形態変化の評価が可能となり、またプラークの安定性がスタチン治療によってもたらされるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology: Cardiovascular Imaging」7月号に掲載された。

藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)の井上薫里氏らは、冠動脈プラークの形態に対するスタチン治療の影響を初回と1年後のCTAによって評価した。対象患者32人(男性26人)の内訳は、初回のCTA後にフルバスタチン投与を受けた患者24人と、スタチンを拒否した患者8人であった。

その結果、フルバスタチン投与患者では、総プラーク体積(92.3±37.7mm3 vs. 76.4±26.5mm3, p<0.01)およびソフトプラーク(低吸収域プラーク: LAP)体積(4.9±7.8mm3 vs. 1.3±2.3mm3, p=0.01)が経時的に有意に減少した。しかし、内腔容積は経時的に変化しなかった。一方、フルバスタチン非投与患者では、総プラーク体積、LAP体積、内腔容積の経時的変化は認められなかった。また、フルバスタチン投与患者では、非投与患者と比較して、プラーク体積(−15.9±22.2mm3 vs. +4.0±14.0mm3, p=0.01)およびLAP体積(−3.7±7.0mm3 vs. +0.2±1.5mm3, p<0.01)の変化が有意に大きかった。しかし、内腔容積およびリモデリングインデックス(remodeling index)に関しては両群間に有意差は認められなかった。

著者らは「本パイロット研究の結果、アテローム性冠動脈疾患の形成および退縮を評価する臨床試験において、一定期間をおいた連続CTA検査が有用である可能性を示す一方、低用量のスタチンによっても、プラークの形態が有意に変化する可能性が示唆された」と述べている(J Am Coll Cardiol Img 2010;3:691-698)。

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