JCS Newsletter

 

Vol.100 (2010.8.24)

  • ESC-JCS Joint Symposium開催およびJCSブースのご案内

  • World Circulation News PLUS


ESC開催期間中、展示会場にJCSブースを出展しております。是非お立ち寄りください。

 

JCS2011


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  ESC-JCS Joint Symposium開催およびJCSブースのご案内


ESC-JCS Joint Symposium2010開催のご案内
詳細は下記URLをご確認ください。
    →http://www.j-circ.or.jp/international/symposium.htm

JCSブースのご案内
    ・ESC2010期間中、展示会場にてJCSブースを出展しております。お気軽にお立ち寄りください。
    ・ブース番号は C14:39 です。


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

クロピドグレルの検査室内投与およびPCI前投与の効果は同程度

HealthDay News 8月3日

イタリア、カムパス・バイオ-メディコCampus Bio-Medico大学(ローマ)のGermano Di Sciascio氏らはランダム(無作為)化試験を実施し、心カテーテル検査室内での血管造影後、PCI前にクロピドグレル600 mgを投与した場合(検査室内投与群)と、標準的処置としてPCIの4-8時間前にクロピドグレル600 mgを投与した場合(前投与群)に関し、有効性を比較評価した。主要心イベントの30日発現率を一次エンドポイント(主要評価項目)とした。

その結果、30日後の一次エンドポイントに関し、検査室内投与群(8.8%)と前投与群(10.3%)の間に有意差はみられなかった(P=0.72)。出血または血管合併症の発現率に関し、両群間に有意差は認められなかった(5.4% vs. 7.8%;P =0.42)。前投与群と比較して、検査室内投与群では、PCI中およびインターベンション2時間後における血小板の反応性が高かった(P < 0.043)。

著者らは「クロピドグレル投与の適応となる患者において、冠動脈の状態(解剖学的構造)を把握する前のルーチン投与に対し、検査室内投与は安全な代替法になりうる」と結論している。

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カルシウム補給により心臓発作リスクが増大する可能性

HealthDay News 7月30日

カルシウム補給に関連して心筋梗塞リスクが増大するとのメタアナリシス結果が、「BMJ」オンライン版7月29日号に掲載された。

ニュージーランド、オークランド大学のMark J. Bolland氏らは、100人を超える(平均年齢40歳超)被験者にカルシウム(1日あたり500 mg以上)を補給したランダム(無作為)化プラセボ対照試験を対象とし、医学文献を検索した。レビュアーが分析した試験数は15件であり、合計被験者数は20,000人を超えた。

その結果、患者レベルのデータが得られた5試験において、心筋梗塞を発症した被験者数は、プラセボ摂取群では111人であったのに対し、カルシウム摂取群では143人であった(ハザード比1.31)。また、脳卒中リスクに加え、心筋梗塞、脳卒中、突然死の複合エンドポイント(評価項目)および全死亡率が増加したが、いずれも有意な増加ではないと考えられた。試験レベルのデータに関するメタアナリシスにおいて、心筋梗塞を発症した被験者数は、プラセボ摂取群では130人であったのに対し、カルシウム摂取群では166人であった(累積相対リスク1.27)。

著者らは「カルシウム補給(ビタミンDは併用せず)に関連して心筋梗塞リスクが増大する。カルシウムのサプリメントは広く使用されているので、カルシウム補給による心血管疾患リスクの中程度増大は、当該集団において疾病負担の増加につながる可能性がある。骨粗鬆症管理におけるカルシウム補給の役割を再評価することが妥当である」と述べている。

Abstract    Full Text    Editorial   

胸部圧迫のみの心肺蘇生(CPR)を支持する2研究

HealthDay News 7月28日

緊急通信指令係が胸部圧迫のみの心肺蘇生(CPR)を指示した場合と、胸部圧迫および人工呼吸を実施するCPRを指示した場合では、生存率は同程度であるとの研究結果2報が、「New England Journal of Medicine」7月29日号に掲載された。

米シアトル・キング郡公衆衛生局救急医療サービス部(Emergency Medical Services Division of Public Health for Seattle and King County)のThomas D. Rea氏らは、病院外心停止に陥った成人患者1,941人のデータを分析した。通信指令係は周囲の者に対し、胸部圧迫のみのCPRまたは胸部圧迫および人工呼吸を実施するCPRをランダム(無作為)に指示した。生存退院した患者または神経学的アウトカムが良好であった生存患者の割合に関し、有意差はみられなかった。心原性心停止または除細動可能な調律が確認された患者に対して、胸部圧迫のみのCPRを実施した場合、生存退院患者の割合が大きくなる傾向にあったが、有意ではなかった。

スウェーデン、カロリンスカ研究所(ストックホルム)のLeif Svensson氏らは、病院外心停止が疑われるか目撃された患者1,276人のデータを分析した。患者をランダム(無作為)化して、胸部圧迫のみのCPRまたは標準的CPRのいずれかに割り付けた。30日生存率に関し、有意差は認められなかった。

添付論説の著者は「上記試験の主要分析による率直な結論として、強制換気を伴わない連続胸部圧迫の指導および実施は比較的簡単であるが、人工呼吸を伴う胸部圧迫と同程度の生存率が得られる。マウス・ツー・マウス人工呼吸の実施は、適切な胸部圧迫と比較してはるかに困難である。人工呼吸は敬遠され、またマウス・ツー・マウス接触関連リスクの問題が生じる可能性がある」と述べている。

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