JCS Newsletter

 

Vol.102 (2010.9.07)

  • 【循環器専門医】医療安全Web研修ページのご案内

  • 日本循環器学会コメディカル賞のご案内

  • World Circulation News PLUS


【循環器専門医】医療安全Web研修ページがOPENしました。インターネットによる視聴研修プログラムの受講で単位取得が可能になります。

 

JCS2011


◆JCS2011〜第75回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


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  【循環器専門医】医療安全Web研修ページのご案内


循環器専門医更新の必修研修である医療安全Web研修ページをUPしました。下記URLより研修ください。
    →https://www.j-circ.jp/jcscredit/login.asp

なお、既に第74回学術集会の際に「医療倫理・医療安全に関する講習会」を受講されました先生は、同セッションを録画した内容になるため、重複して単位は加算されませんのでご注意ください。


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  日本循環器学会コメディカル賞のご案内


日本循環器学会では、医療におけるコメディカルとしての活躍を期待し、循環器医療におけるコメディカルの研究を奨励することを目的として、日本循環器学会コメディカル賞を設けました。
第75回学術集会コメディカル一般演題(口述)の応募演題から優秀演題を選考し、顕彰させていただきます。
コメディカルスタッフであれば、日本循環器学会の会員でなくても演題応募、発表ができますので、奮ってご応募くださいますようご案内申し上げます。

・ コメディカル 一般演題
    演題 登録締め切り : 9月30日(木) 正午 必着
    →コメディカル賞のご案内・演題応募はこちら


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

非糖尿病患者のHbA1c高値が心不全と関連

HealthDay News 8月23日

中年非糖尿病患者のHbA1c高値は後期の心不全リスクと関連しており、糖尿病発症前であっても慢性的高血糖が心不全のリスクファクター(危険因子)となりうることを示す研究論文が、「Diabetes」8月号に掲載された。

米ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部(ボルチモア)の松下邦洋氏らは、ARIC Study(Atherosclerosis Risk in Communities Study:地域社会でのアテローム性動脈硬化症リスク研究)における中年以上の被験者11,057人から得たデータを分析した。被験者は、ベースライン時に心不全または糖尿病に罹患しておらず、45-64歳であった。

その結果、中央値14.1年間の追跡調査において、心不全発症による入院または死亡が841件認められた。空腹時血糖および他の因子に関して調整した後、HbA1cが5.0-5.4%の対照群と比較した場合、HbA1cが6.0-6.4%(ハザード比1.40)または5.5-6%(ハザード比1.16)の被験者では心不全発症リスクが高かった。しかし、HbA1cなどの因子に関して調整した場合でも、空腹時血糖高値は心不全と関連しなかった。

著者らは「結論として、糖尿病を有しない中年の2民族(bi-ethnic)集団では、空腹時血糖よりもHbA1c高値(≥5.5-6.0%)の方が心不全リスク増大と強く関連していた。以上の所見は、糖尿病発症前であっても慢性的高血糖が心不全リスクの独立したリスクファクターとなり、冠動脈性心疾患(CHD)リスクに対する影響を超えて心不全発症に寄与する可能性を示唆する」と結論している。

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中程度のチョコレート摂取が心不全リスク低下と関連

HealthDay News 8月17日

習慣的な中程度のチョコレート摂取は、心不全発症による入院率または死亡率の低下と関連するが、1日1回以上のチョコレート摂取に予防効果は認められないとの研究論文が、「Circulation: Heart Failure」オンライン版8月16日号に掲載された。

米ハーバード大学医学部(ボストン)のElizabeth Mostofsky氏らは、プロスペクティブ(前向き)コホート研究を実施し、ベースライン時に糖尿病に罹患していないか、心不全または心筋梗塞の病歴がない女性31,823人(48-83歳)を1998年1月1日から2006年12月31日まで追跡調査した。

その結果、9年間の追跡調査において、女性419人が心不全発症によって入院(379人)または死亡した(40人)。チョコレートを習慣的に摂取しない女性と比較した場合、多変量調整後の心不全発症率比は、1カ月間に1-3回摂取する女性では0.74、1週間に1-2回摂取する女性では0.68、1週間に3-6回摂取する女性では1.09、1日に1回以上摂取する女性では1.23であった。

著者らは「以上の所見を確認または否定するためには、またチョコレートの最適摂取量およびタイプを決定し、関連機序を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」と述べている。

Abstract    Full Text   

脂質異常に関連する59個の遺伝子変異を同定

HealthDay News 8月9日

リポ蛋白代謝にかかわる95個の遺伝子変異が同定され、冠動脈疾患(CAD)予防において新たな標的となりうるとの研究論文が、「Nature」8月5日号に掲載された。

米ミシガン大学(アナーバー)のTanya M. Teslovich氏らは、100,000人を超えるヨーロッパ系被験者を対象としてゲノムワイド関連解析を実施し、血漿脂質に関連する一般的遺伝子変異について検討した。また、マウスモデルを用いて追加試験を実施し、特定の3個の遺伝子変異がリポ蛋白代謝において果たす役割を評価した。

その結果、脂質形質と有意に関連する95個の遺伝子座が見出された。このうち59個の遺伝子座に関しては、ゲノム全体での脂質形質との有意な関連が初めて認められた。これまでリポ蛋白代謝と関連づけられていなかった多数の遺伝子座に加え、既知の脂質調節因子の近傍に位置する一塩基遺伝子多型(SNP)などに関して、脂質形質との関連が新たに同定された。

これら95個の遺伝子座は、3種類の非ヨーロッパ系集団(東アジア人、南アジア人、アフリカ系アメリカ人)における脂質形質とも関連し、正常な脂質形質変異および極端な脂質表現型において一定の役割を果たしていた。また、血漿脂質に関連するいくつかの遺伝子座が新たに同定された(これらの血漿脂質は、CADにも関連している)。マウスモデルを用いた実験によって、GALNT2、PPP1R3B、TTC39B の3種類の新規遺伝子を追認した。

著者らは「本研究で示したデータは、リポ蛋白代謝をより広く生物学的に理解し、潜在的な新規治療機会を同定するための基礎となる」と述べている。

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