Vol.108 (2010.11.09)
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週1回のINR自己測定は月1回のクリニック検査に対して優位ではない
HealthDay News 10月20日
ワルファリン服用患者における大出血および脳卒中などの有害事象リスク低下に関して、国際標準比(INR)の自己測定はクリニック検査と比較した場合に優位ではないとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」10月21日号に掲載された。
米ダーラム退役軍人メディカルセンター(ノースカロライナ州)のDavid B. Matchar氏らは、人工心臓弁または心房細動を有するワルファリン服用患者2,922人のデータを分析した。被験者をランダム(無作為)化し、週1回の自宅でのINR自己測定群、または月1回のクリニック検査群のいずれかに割り付けた。一次エンドポイント(主要評価項目)は、脳卒中、大出血エピソードまたは死亡までの期間とした。
その結果、自己測定群において、初回イベントまでの期間の有意な延長はみられなかった。他の臨床アウトカムに関しては、自己測定群で小出血エピソードが多かった以外は両群間で同程度であった。また自己測定群の被験者では、INRが目標範囲内にある期間の割合に若干の改善が認められた。
著者らは、「主要イベント予防における抗凝固療法の価値、および通常の抗凝固管理(米国では月1回のクリニックでの検査は質の高い管理とみなされる)の不良な成績を考慮すると、クリニックでの質の高い抗凝固管理へのアクセス(利用)が身体障害、地理的距離または他の要因によって制限される患者においては、自己測定を考慮するよう推奨する」と結論している。
共著者2人は、多数の製薬企業および他の企業との財務関係を開示している。
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コルチコステロイドが心房細動アブレーション後の再発を減少させる
HealthDay News 10月20日
心房細動(AF)アブレーション後の短期間のコルチコステロイド投与が、肺静脈隔離直後および長期追跡調査期間のいずれにおいても、安全にAF再発を予防する可能性があるとの研究論文が、「Journal of the American College of Cardiology」10月26日号に掲載された。
筑波大学の小山 崇氏らは、発作性AF患者125人を肺静脈隔離術直後にヒドロコルチゾン投与を受け、以後3日間のプレドニゾロン投与を受ける群と、プラセボ投与群のいずれかにランダム(無作為)に割り付けし、そのデータを分析した。
その結果、コルチコステロイド投与群では、手術後3日間におけるAF再発率がプラセボ投与群に比べて有意に低下するとともに(7% vs. 31%)、アブレーション後3日間における最高体温およびC反応性蛋白(CRP)が低下した。コルチコステロイド投与は、アブレーション後4-30日におけるAF再発の減少には関連していなかった。しかし、コルチコステロイド投与群では、プラセボ投与群と比較して、14カ月経過時の抗不整脈薬を服用していない患者でのAF非発症率が高かった(85% vs. 71%)。
添付論説の著者は、「本研究結果を受けて、コルチコステロイド療法をルーチン診療に含めるべきか、あるいは追認試験の結果を待つべきかという問いに対しては、回答が困難である。いずれにしても、以上の重要な問題に関し、本研究結果が更なる研究を促すことは間違いなく、その点で著者らは賞賛に値する」と述べている。
Abstract
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降圧薬の就寝前服用によってアウトカムが改善
HealthDay News 10月12日
1種類以上の降圧薬服用を起床時から夜間に変えることで、血圧コントロールが改善し、ノンディッバーが減少し、心血管疾患(CVD)罹患率、死亡率が低下するとの研究論文が、「Chronobiology International」9月号に掲載された。
スペイン、ビゴVigo大学のRamon C. Hermida氏らは、高血圧患者2,156人(男性1,044人、女性1,112人)をランダム(無作為)化し、処方された全種類の降圧薬を起床時に服用する群と、このうち1種類以上の降圧薬を就寝前に服用する群のいずれかに割り付けた。
その結果、ベースライン時の24時間自由行動下血圧(ambulatory BP)に関しては両群間に差が無かったが、就寝前服薬群では睡眠時平均血圧が有意に低下し、睡眠時相対降圧率が上昇した。また、就寝時服薬群ではノンディッピングの率が低下し、24時間自由行動下血圧の良好なコントロール達成率が上昇した。全種類の薬剤を起床時に服用した被験者と比較して、1種類以上の降圧薬を就寝前に服用した被験者では、中央値5.6年間の追跡調査時に、全CVDイベントおよび死亡を含む主要イベントの相対リスクが有意に低下した。
添付論説の著者らは、「最も重要なのは、本研究結果が、就寝前の時間治療戦略(chronotherapeutic strategy)が標的臓器障害の進行を予防または遅延させ、CVDリスクを有意に低下させることを示している点である」と述べている。
Abstract
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Editorial
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