Vol.109 (2010.11.24)
- 第75回学術集会 一般演題採択発表予定のご案内
- World Circulation News PLUS
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11月25日より第75回一般演題採択を学術集会ホームページに掲載します。ご確認ください。

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第75回学術集会 一般演題採択発表予定のご案内
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明日の11月25日(木)正午から、学術集会ホームページにおいて一般演題の採択演題を発表します。
採択された演題の登録番号、採択演題名、筆頭演者名(英字)をカテゴリー別に掲示しますので、各自ご確認ください。
→ 第75回学術集会ホームページはこちら
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積極的なスタチン使用により血管イベント発現リスクがさらに低下
HealthDay News 11月9日
低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールの低下を目的とした積極的なスタチン療法は、通常のスタチン療法と比較して、主要血管イベントの発現率を有意に低下させるとの研究論文が、「The Lancet」オンライン版11月9日号に掲載された。
英オックスフォード大学のColin Baigent氏らは、被験者約170,000人が参加したランダム(無作為)化試験26件を対象とし、メタアナリシス(メタ分析)を実施した。積極的なスタチン療法と通常のスタチン療法を比較した試験において、積極的治療群の1年後におけるLDLコレステロール値は、通常治療群と比較してさらに0.51 mmol/L(約19.7mg/dL)低く、主要血管イベントの発現率はさらに15%低かった。スタチン治療を対照群と比較した試験を含む全26試験を通した分析の結果、LDLコレステロール値が1.0 mmol/L(約38.7mg/dL)低下するごとに主要血管イベントが22%減少し、全死因死亡率が10%低下した。
同じく英オックスフォード大学のJane Armitage氏らは、メタアナリシスにデータを含めた1試験において、心筋梗塞の既往歴がある被験者12,064人をランダム化し、シンバスタチン1日80 mg投与群または20 mg投与群のいずれかに割り付けた。その結果、低用量群と比較して、高用量群ではLDLコレステロール値がさらに平均0.35 mmol/L(約13.5mg/dL)低下した。また、主要血管イベントが発現した被験者の割合は、高用量群では24.5%であったのに対し、低用量群では25.7%であった(リスク比0.94;P=0.10)。
Armitage氏らは「本試験において、LDLコレステロール値がさらに0.35 mmol/L(約13.5mg/dL)低下すると、主要血管イベントが6%(SE [標準誤差] 3.5%)減少した。本結果は既報と一致する。シンバスタチン1日80 mg投与群においてミオパシー(筋障害)が増加したが、LDLコレステロール値の積極的低下は他のレジメンとともに安全に達成可能であった」と述べている。
メタアナリシスに含めた大多数の試験は、製薬会社の助成金による支援を受けた。また、報告書作成委員会のメンバー数人は、製薬会社から学会参加費用の払い戻しを受けたことを報告している。Armitage氏の試験は、メルク社による支援を受けた。
Abstract - Baigent
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Abstract - Armitage
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遺伝子組換え活性型第VII因子によって動脈血栓塞栓リスクが増大する可能性
HealthDay News 11月3日
遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)を特に高齢者の出血に対して使用した場合、動脈血栓塞栓イベントの発現リスクが増大する可能性があるが、静脈血栓塞栓イベントの発現リスクは増大しないとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」11月4日号に掲載された。
オランダ、アムステルダム大学のMarcel Levi氏らは、患者4,468人が参加したプラセボ対照ランダム(無作為)化臨床試験35件を対象とし、論文レビューから得たデータを分析して、rFVIIa使用に関連する血栓塞栓リスクを評価した。
その結果、被験者498人(11.1%)に血栓塞栓イベントが発現した。rFVIIa投与群の被験者では、プラセボ投与群の被験者と比較して、動脈血栓塞栓イベントの発現率が高く(5.5% vs. 3.2%)、特に65歳以上の患者において顕著であった(9.0% vs. 3.8%)。75歳以上の被験者では、さらに動脈血栓塞栓イベントの発現率が高かった(10.8% vs. 4.1%)。しかし、rFVIIa投与群およびプラセボ投与群において、静脈血栓塞栓イベントの発現率は同程度であった(5.3% vs. 5.7%)。
著者らは、「以上のデータから、rFVIIaのプラセボ対照試験における血栓塞栓イベントの発現率に関し、体系的(システマティック)評価が可能である。重要な点として、年齢固有的(inherently)に血栓塞栓イベントの発現リスクが高い高齢者集団では、中枢神経系出血が発現する。したがって、何らかの止血薬を投与する前に、リスク-ベネフィット(リスク対便益)を考慮した評価をすべきである」と述べている。
本研究は、ノボ ノルディスク社からの資金援助を受けた。著者3人は、同社との雇用関係を含めた財務関係を開示している。
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遺伝的多様体によってクロピドグレル服用患者の心血管イベントリスクが増大
HealthDay News 10月26日
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を目的としてクロピドグレル投与を受けた患者のうち、機能低下CYP2C19アレルを有する患者では、遺伝的多様体(genetic variant)を有しない患者と比較して主要心血管イベントが発現する可能性が高いとの研究論文が、米国医師会誌「JAMA」10月27日号に掲載された。
米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のJessica L. Mega氏らは、医学論文(2000-2010年)を検索して、主に侵襲的処置を受けた冠動脈疾患患者に対してクロピドグレルを使用し、臨床アウトカム(結果)が確認されている遺伝学的試験を同定した。計9,685人の患者を対象とし、複合エンドポイント(複合評価項目:心血管疾患死、心筋梗塞、脳卒中)およびCYP2C19遺伝型(1種類または2種類の機能低下CYP2C19遺伝的多様体など)の相関を分析した。
患者9,685人のうち、863人に複合エンドポイントがみられた。ステント血栓症に関しても分析した患者5,894人のサブグループでは、84人に複合エンドポイントがみられた。機能低下アレルを有しない患者と比較して、機能低下アレルを1種類有する患者(ハザード比 [HR]、1.55)および2種類有する患者(HR、1.76)では、いずれも複合エンドポイントのリスクが有意に増大していた。機能低下アレルを1種類または2種類有する患者集団では、ステント血栓症リスクも高かった(それぞれのHRは2.67および3.97)。
著者らは、「PCIを目的としてクロピドグレル投与を受けた患者では、機能低下CYP2C19アレルを1種類でも有すると、主要心血管有害事象、特にステント血栓症のリスクが有意に増大すると考えられる」と述べている。
著者数人は、製薬会社および/または医療機器製造会社との財務関係を報告している。
Abstract
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