| 日本循環器学会としてはこれまで高血圧、塩分過剰摂取、肥満、高脂血症、糖尿病などの危険因子に対して重点的に取り組み、成果を上げてきた。一方、喫煙の相対危険度は冠動脈疾患では1.7〜3倍、脳卒中では1.7〜8倍、突然死1.4〜10倍と極めて高い。また、各種の循環器疾患患者にとって、喫煙を継続することは、疾患そのものを悪化させるだけでなく、酸素運搬能を低下させるため、日常生活動作能力を低下させる。喫煙は喫煙者本人のみならず、受動喫煙によって非喫煙者にも冠動脈疾患や脳卒中を発症させる。未成年者や若い女性の喫煙は、我が国においてはむしろ増加しており、将来の循環器疾患の罹患とその予後に、重大な結果を招き、特に、経口避妊薬の常用と喫煙は相乗的に、循環器疾患のリスクを高める。したがって未成年者や女性を含めて、すべての国民の禁煙ならびに受動喫煙防止を推進する活動が望まれる。さらに、一次予防の観点から、禁煙推進は高騰を続ける医療費対策としても、費用効果比の優れた方策である。 |