周産期心筋症(産褥心筋症)の発症に関する前向き研究
PREACHER(PREgnancy Associated Cardiomyopathy and Hypertension Essential Research)

周産期(産褥)心筋症は、妊産婦死亡の非常に重要な原因の一つであるにも関わらず、その疾患概念はあまり周知されておらず、国内の発症状況、治療や転帰についても把握されていませんでした。そこで、当事務局では、平成21年に、平成19〜20年に発生した周産期心筋症例について、全国の周産期施設、救命救急センターおよび循環器専門医研修施設に対して、初発時および受診時の状況、母児の予後などの後ろ向きアンケート調査を実施いたしました。結果、わが国における発症率が約2万分娩に1例であり、患者の約1割が死亡もしくは心臓移植待機となるなど、最重症化することが判明しました。早期の診断治療が予後改善に繋がる可能性がある一方で、呼吸困難・浮腫等の心不全症状が正常の妊娠のよる身体変化と鑑別困難な上、初診医の75%は心不全診療に不案内な産科医や一般医でありました。

世界的には、欧米諸国で前向き症例登録が開始するとともに、病因解明、新たな治療法開発につながる基礎・臨床研究の報告もされ始めています。前述の後ろ向き調査では不明であった長期予後や、危険因子(慢性高血圧症の既往、多胎妊娠、子宮収縮抑制剤の投与、妊娠高血圧症候群合併、帝王切開など)についての詳細な考察、簡便なスクリーニング検査としてのBNP測定の有用性などの点を明らかにし、検体集積による病因解明研究のために本研究を実施いたします。得られた結果は妊産婦の予後向上・死亡減少のため、周産期施設と心不全治療施設との有効なネットワークの構築や病態解明、診断治療指針の作成などに役立てていく所存でおります。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

周産期心筋症 全国調査事務局 
国立循環器病研究センター 周産期・婦人科部 神谷千津子
Email:ppcm@hsp.ncvc.go.jp
TEL: 06-6833-5012(内線PHS:8681もしくは8746)
登録HP: http://www.周産期心筋症.com

周産期心筋症(産褥心筋症)の発症に関する前向き研究 PREACHER
北海道大学病院 循環器内科北海道
苫小牧市立病院 循環器内科北海道
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