ふせいみゃく
不整脈

1. 不整脈とは?


イラストは来夢来人のフリー素材を利用しております。

不整脈とは、心臓の拍動のリズムが不規則であったり、極端に頻度が高かったり少なかったりする状態を言います。心臓は刺激伝導系とよばれる電気の流れによって拍動が制御され、正常時には血液を一定のリズムで送り出しています。不整脈はその電気の流れや発生の異常によってもたらされます。心臓の拍動頻度が極端に少ない場合(心拍数おおよそ50回/分以下)を徐脈、その逆に速くなる状態(おおよそ100回/分以上)を頻脈と呼びます。極端な徐脈や頻拍では、心臓が十分に血液を送り出すことができず、からだのはたらきを障害することがあります。

不整脈の種類
心房細動
心室頻拍・心室細動
発作性上室生頻拍
期外収縮
洞頻拍
房室ブロック
洞機能不全症候群
その他の不整脈
※詳しくは、『不整脈心電学会のページ「不整脈ってなぁに」をご覧ください。』

正常の心臓のかたちとはたらきについて 詳しく知る(不整脈心電学会のページ)
心臓は4つの部屋からなります。上側の2つの部屋を心房、下側の2つの部屋を心室と呼びます。また、心室の入口と出口には弁という血液が逆方向に流れないようにする扉がついています。肺や全身から戻ってきた血液はまず心房に入り、心房の収縮によって心室に送り込まれ、次に心室が収縮することによって肺や全身に血液が送り込まれます。この一連の心臓の収縮を制御しているのが刺激伝導系とよばれる経路の電気信号です。心房には電気信号を一定の頻度で発生するいわゆる”ペースメーカー”のはたらきをする洞結節という組織があります。この洞結節からの電気はまず心房全体に伝わり心房を収縮させ、心房内の血液を心室に送り込みます。次に電気は房室結節とよばれる電気の中継所を通って心室に伝わり、心室を収縮させます。心室は筋肉が厚く、強い収縮により血液を全身と肺に送り込みます。

不整脈のしくみ
心臓の拍動を制御する電気になんらかの異常が発生すると不整脈となります。例えば、この電気経路がどこかで遮断されると最終的に血液を送り出す心室に電気が届かなくなります。ただ、そのような場合には、バックアップのペースメーカーが下位にあり電気を定期的に発生しますが、その頻度は本来のペースメーカーである洞結節よりは低く、心拍数の低い“徐脈”の状態となります。一方、洞結節以外の部分から異常な電気信号が発生することがあり、その頻度が高い場合には頻脈となります。