しんぞうべんまくしょう
心臓弁膜症

4. 心臓弁膜症の原因

心臓弁膜症の原因
心臓弁膜症の原因によって治療方針が変わることがあるので、原因を調べることが重要になります。

1.弁の変性、加齢に伴う硬化
年齢と共に弁が硬くなったり、一部が変性して閉まりが悪くなったりして弁膜症になります。近年、高齢化の進行とともにこのようなタイプの弁膜症が増えていきます。大動脈弁狭窄症と僧帽弁閉鎖不全症がそれです。

2.リウマチ性
細菌感染によるリウマチ熱の後遺症で心臓の弁が変性します。リウマチ熱は子供の頃にかかり、弁の変性が少しずつ進行し、その後何十年も立ってから心臓弁膜症を発症します。最近少なくなっています。

3.先天性
生まれつき弁に穴が開いていたり、弁を支える組織の位置に異常があることで心臓弁膜症になります。大動脈弁では、本来3つあるはずの弁葉が2つしかない二尖弁が原因になることもあります。

4.全身疾患に伴うもの
膠原病や血管炎の炎症が原因になることもあります。また、マルファン症候群など大血管の異常が原因になることもあります。

5.薬剤性
まれですが、薬剤が原因で心臓弁膜症になることもあります。

6.感染性
傷口や抜歯後などに細菌が血液に入り込み、心臓の弁を破壊する感染性心内膜炎が原因になることがあります。歯周炎などが原因となることもあり、口腔内を清潔に保つことが大切です。

7.そのほか
まれに外傷で胸部を強く打ったことなどが原因となることがあります。また、心筋梗塞や心筋症で心臓が拡大して弁の逆流が生じることもあります。