急告 日本循環器学会会員の皆様へ

〜第75回日本循環器学会総会・学術集会の夏期開催について〜

第75回日本循環器学会総会・学術集会
会長 小川 聡
 去る3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様へ心からお見舞い申し上げます。亡くなられた方々のご冥福と被災された地域の一日も早い復興をお祈りしております。
 第75回日本循環器学会総会・学術集会会長として3月18日〜20日開催に向けて万全の準備を進めて参りましたが、この度の予期しない未曾有の大惨事に鑑み、我が国の救急医療の一翼を担う日本循環器学会として、被災者の方々への救援活動を最優先するために学術集会の中止を決断させて頂いたのは既にご案内の通りです。

 ひと月が経過した今なお、被災地の復興は緒についたばかりで、また福島第一原子力発電所事故の行く末も全く予断を許さない状況であります。
 しかし一方では、我が国の循環器領域の学術研究と診療の向上を目指し、将来の循環器医療を担うべき若手医師、コメデイカルの育成、という使命を持つ日本循環器学会としては、学術集会の場を放棄すべきではないというご意見も多数寄せられております。特に今回一般演題として応募された4,096題の中から、厳しい査読の結果採択された2,362題につきましては、発表予定の先生方の学術集会に向けた日々の努力を無にすることに対し、会長の責任を強く感じて参りました。一般演題以外にもLate Breaking Clinical Trial セッション、プレナリー、シンポジウム等でも最先端の臨床研究、基礎研究成果を御発表頂く予定でしたので、中止に伴う学術活動の停滞が懸念される所であります。
 4月9日開催の日本循環器学会理事会において以上のことを慎重に審議頂いた結果、震災後のかかる社会情勢へ十分配慮をした上で、第75回学術集会の夏期開催を決定して頂きました。今後の状況の推移を慎重に見極めた上での判断とはなりますが、7月〜8月を目処に、会期を短縮して開催すべく準備を始めさせて頂きます。学術プログラムに関しては3月に配布済みのプログラムに準じて再編致しますが、大災害時の救急医療支援の在り方などについての緊急シンポジウムも新たに企画し、学会からの復興支援へのメッセージとして発信させて頂きます。市民公開講座等の開催は見合わせ、運営経費を大幅に節約する方向で準備を進める所存でおります。
 今なお被災地での医療に専念されている会員諸氏、あるいは自ら被災されたためにご参加頂けない会員もおられるかと存じますが、可能な限り多くの会員にご参集頂き、この学術集会を復興への第一歩を踏み出す機会にして頂けますことを祈念致します。

夏期開催となりますので、予期せぬ停電などの危惧の少ない地域での開催を検討させて頂いております。会期、会場を決定次第改めてご案内させて頂きますので、どうぞ宜しくご理解・ご支援のほどお願い申し上げます。
平成23年4月13日