「先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言」について

 

 医療技術の進歩により、成人期に到達した先天性心疾患患者が急増し、我が国にはすでに50 万人以上の患者がおり、2040 年には80 万人を超えるとも言われている。先天性心疾患を持つ患者に対しては患者の成長発達と加齢に応じた継続的かつ集学的な生涯医療が必要であり、小児期から成人期にかけての先天性心疾患の病態の進行と治療の合併症や続発症、加齢に伴う全身合併症に対応するためには、多職種連携に基づく専門的医療体制 の確立と普及が重要である。さらに患者が自立し、社会に貢献していくための保険診療体制や社会制度の構築も、喫緊の課題である。

 そこで、先天性心疾患の小児から成人への生涯医療における移行医療という観点から、医療を提供する側と医療を受ける患者側の双方に求められることを、日本循環器学会が中心となって検討してきた。ここに、先天性心疾患の生涯診療に携わる医師や多職種専門職が所属する8 学会が共同で、現場のニーズに即した具体的な提言を発表した。

 本提言が、循環器内科医、小児循環器科医、心臓血管外科医のみならず多職種専門職を含めた先天性心疾患診療に関わるすべての医療者、患者とその家族、教育関係者、行政関係者に「実践的な手引き書」として活用され、最終的に先天性心疾患を持つすべての患者に必要とされる診療や社会制度が適切に提供されることを切望する。

 最後に、本提言作成に関わった連携学会の日本成人先天性心疾患学会理事長
丹羽公一郎氏、日本小児循環器学会前理事長安河内聰氏をはじめ、関係学会各位に深謝する。


本提言分はこちら(PDFへリンク)

(一社)日本循環器学会
学術委員長
斎藤 能彦

小児・成人先天性心疾患部会長
成人先天性心疾患の横断的検討委員長
三谷 義英