代表理事就任のごあいさつ

平田健一
一般社団法人日本循環器学会

代表理事平田 健一

(神戸大学大学院 医学研究科 循環器内科学分野)

 この度、小室一成前代表理事の後任として、一般社団法人日本循環器学会第19代代表理事を拝命しました神戸大学の平田健一です。日本循環器学会は、80年以上の長い歴史があります。このような伝統ある学会の代表を務めさせていただくことになり、大変光栄に存じますと共に、歴代理事長のお名前を拝見し、その重責に身の引き締まる思いです。この場をお借りして、謹んでご挨拶申し上げます。

 日本循環器学会は、今まで諸先輩方の努力によって循環器病学の研究、診療、人材育成などの多くの領域において数多くの輝かしい成果を上げ、素晴らしい伝統を築いてまいりました。本学会の会員数は毎年順調に増加し、令和2年(2020年)6月時点で正会員数は26,645名、準会員数2,628名、循環器専門医数15,328名となり、わが国の医学会を代表する学会となっています。循環器学会は、循環器病学の研究、診療のみならず、医療体制の整備やガイドラインの普及、多職種にわたる人材育成など、多くの社会的役割を担う責任があります。2016年日本循環器学会は脳卒中学会や関連学会と共同で「脳卒中と循環器病克服5カ年計画」を作成しました。「5カ年計画」では、“ストップ脳心血管病(CVD)”を合言葉に健康寿命の延伸を大目標とし、重要3疾患として脳卒中、心不全、血管病を挙げ、5戦略(人材育成、医療体制の充実、予防・国民への啓発、登録事業の促進、基礎・臨床研究の強化)を掲げ、活発に活動しています。本年度は5カ年計画の最終年度であり、その成果を総括しつつ、第2次5カ年計画の策定を行っています。2018年12月に「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立し、今後は5カ年計画に基づき、都道府県を中心に体制整備を進めていくことになります。その際には、会員の皆様のご協力をお願いする次第です。

 循環器学会の重要な活動の一つとして学術集会があり、国際化をさらに推進していく必要があります。日本循環器学会は、アジアの諸国との連携を強化し、AHA、ACC、ESCなど欧米の学会と並んで世界の3極の一つとなることを目指しています。本学会は、2016年にAsian Pacific Society of Cardiology (APSC)に復帰し、2020年APSC学術集会の第84回日本循環器学会学術集会(京都)の合同開催を予定していましたが、残念ながらCOVID-19の感染拡大で、APSCとの合同開催は延期になりました。しかし、今後、WHFとの合同開催も予定されており、会員の皆様の研究成果を世界に発信する良い機会になると思います。APSCやWCCに参加される世界の人たちが日本循環器学会学術集会や我が国の循環器診療、研究の素晴らしさを実感していただけるものと期待しています。また、本学会会員の若い力を結集し、看護師、理学療法士、管理栄養士、臨床検査技師などの多くのメデイカルスタッフにも本学会に参加していただき、活発に活動できるような場を提供したいと考えています。一方で、COVID-19の感染拡大で、学術集会のあり方について見直す必要があり、新しい時代の学術集会の開催形式について将来を見据えて改革していきたいと考えています。

 新しい「心不全療養指導士」制度もスタートし、多職種による活動が循環器学会を盛り上げるエネルギーとなっています。若手の人材育成には、各支部における地方会活動も重要であると思っています。学会全体で地方会のさらなる活性化を図り、女性会員や若手会員、多職種の皆様の活躍の場を一層提供し、将来の循環器病学を担う人材の育成に努めたいと思います。

 日本循環器学会が社会における責任を果たすために、多くの学会員の意見を取り入れ、学会員が一丸となって目標に向かって取り組む環境を整備したいと考えています。これから2年間、理事、社員、会員の皆様の力をお借りして、全力でこれらの課題に取り組んで参ります。皆様の温かい御指導、御支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

日本循環器学会 代表理事

平田 健一