Human Cardiac Stem Cells With Reduced Notch Signaling Show Enhanced Therapeutic Potential in a Rat Acute Infarction Model (Circ J 2014; 78: 222-231)

編集長のコメント:
心臓病の治療に心臓幹細胞移植が期待されていますが,心筋細胞への分化能を保持したまま増殖させる技術が求められていました。本研究は,ラットAMIモデルにおいて,Notch シグナルの抑制が有効であることを示した点で意義があります。
出典元:Medical Tribune(2014年1月30日号p22)

著者の横顔:
所属先:国立長寿医療研究センター 老化機構研究部 流動研究員
氏名 :松田 剛典氏
 子供のころから父の影響で山のスポーツに親しんだ。高校卒業後2年間オーストリアに渡り,スキー教師の免許を取得。「なぜ老いるのか」に興味を持ち,帰国後は兵庫県立大学理学部で生命科学を専攻。大阪大学大学院医科学専攻修士課程へと進み(飛び級進学),心臓幹細胞移植の臨床応用を進めている同大学心臓血管外科教授の澤芳樹氏,東海大学教授の浅原孝之氏(先端医療センター兼務)の指導を受けた。米・Harvard Universityに3カ月間留学し,心臓幹細胞培養法を習得しようとしたが,培養条件が定まっていないことに気付いた。自分たちで培養条件を確立しなければならないと感じ,今回の研究に着手。心筋細胞への分化能を保持し,治療能力のある心臓幹細胞を培養するために,Notchシグナルの抑制が重要なことを見いだした。
 大阪大学での博士課程を終え,2012年4月から国立長寿医療研究センター老化機構研究部で,Ziziminファミリー遺伝子の機能解明に取り組んでいる。同遺伝子は免疫組織のみに発現していて,高齢マウスでは発現が低下していることが知られている。松田氏は「免疫老化のメカニズムを知るために,免疫応答における同遺伝子の機能を明らかにしたい」と抱負を述べている。
出典元:Medical Tribune(2014年1月30日号p22)