JCS Newsletter

Vol.7 (2007.3.13)

  • World Circulation News PLUS
  • 「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」一般公開の
      お知らせ
  • 評議員選挙の投票資格について
  • 学術集会時の専門医研修単位登録について

バイエル薬品株式会社

いよいよ明後日(3月15日)から、第71回学術集会(神戸)が開催されます。
学術集会ホームページでは、選択した演題を My List として日時順に表示できる「プログラム検索システム」をご用意しています。参加スケジュールのチェックなどにご活用ください。
第71回学術集会への会員の皆様方のご参加を、お待ち申し上げております。

1World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)

海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

脈圧が心房細動のリスクファクターに

Health Day News 2月20日

「脈圧は、加齢に伴い新規に発症する心房細動のリスクファクターとなる」とする研究結果が、米国医師会誌「JAMA」2月21日号に掲載された。

米Cardiovascular Engineering社(マサチューセッツ州)のGary F. Mitchell氏らは、フラミンガム心臓研究の参加者の5,331人を対象に、コホート研究を実施した。被験者は平均年齢57歳、55%が女性で、研究開始時に心房細動の既往はなかった。

その結果、698人(男性363人、女性335人)が研究開始から平均12年で心房細動を発症した。20年累積発生率は、脈圧40mmHg以下(コホートの25パーセンタイル)のグループで5.6%、61mmHg以上(同、75パーセンタイル)のグループで23.3%となった。

動脈硬化の指標として、脈圧は間接的に関係があり、なおかつ評価が容易である。また、加齢とともに動脈硬化を来しても、他の心血管リスクファクターが減少すれば脈圧は必ずしも増大しない。

「脈圧を縮める、または脈圧拡大を予防する介入措置が、心房細動の発症率減少に寄与するかどうかを判断するには、さらなる研究が必要である」と著者らは述べている。

女性の心臓病予防ガイドラインを改訂

Health Day News 2月19日

米国心臓協会(AHA)は、女性の心臓病予防ガイドラインの改訂版を「Circulation」3月13日号に発表する。

AHAのLori Mosca氏が委員長を務める専門委員会は、2004年版のガイドラインを見直し、根拠に基づく最新知見を反映させたものに書き換えた。調査対象としたのは、2003年1月から2006年6月に発表された文献で、当初認定された5,774本の論文から828本を選んで全文を審査し、246本の内容を改訂版に加えた。

改訂版には、心血管リスクと生活習慣因子や予防薬に関する勧告が充実している。また、無効あるいは有害な介入法を列挙すると同時に、より厳密な検査法やリスクコミュニケーション、遺伝学の役割など今後の研究の方向性をも示唆している。

「女性の心臓病という疾病に打ち勝つには、個別のテーラーメイド介入だけでは不十分で、広範な人口集団を対象とした戦略が必要となる。特に、心臓病予防医療における性差を縮め、女性の転帰向上を促すには、何らかの公共政策が求められる」と著者らは述べている。

女性用心血管リスク評価の新アルゴリズム

Health Day News 2月13日

これまで心血管リスクが中等度と分類されていた女性の約半数を、低リスクまたは高リスクに分類する新たな2種類の包括的なリスク評価アルゴリズムを開発、検証したとする研究が、米国医師会誌「JAMA」2月14日号に発表された。

米ブリガム女性病院(ボストン)のPaul M. Ridker氏らは、この研究のため、研究開始時に45歳以上の健常女性2万4,558人を対象に、35のリスクファクターを評価し、その後平均10.2年間の心血管イベントを追跡調査した。

開発された2種類の新モデル(うち、1種類はレイノルズ・リスクスコアと呼ばれる)は、ベイズの情報量基準スコアの影響を最小限に抑えており、成人治療パネル III(ATP III)研究に用いられた古いモデルよりも適合性と識別能、キャリブレーション(較正)を向上させた。新モデルはともに、ATP IIIで心血管イベント10年リスクが5〜20%とされた女性の約半数を、現実のイベント発生率に即した低リスクと高リスクに分類し直している。

「レイノルズ・リスクスコアは今後の心臓病予防に貴重な指標となると考えられる」と、米ジョンズ・ホプキンス大学医学部(ボルチモア)のRoger Blumenthal氏らは添付論説で述べている。(なお、原著と添付論説の著者らはともに、製薬会社やバイオ企業各社から何らかの報酬を受け取っている。)

Copyright © 2007 ScoutNews, LLC. All rights reserved.
World Circulation News (WEB)
AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。

2「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」一般公開のお知らせ

Circulation Journal vol.70 Supplement IV

日本循環器学会学術委員会合同研究班では、我が国の循環器疾患の特徴や医療の実情に即した独自のガイドライン作成を目的として、1998年度から「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」の作成を開始しました。2006年度までに33のガイドラインが策定され、順次Circulation JournalのSupplementとして誌上及び会員限定のホームページ上で公表しています。それぞれのガイドラインには,テーマとなった循環器疾患の診断,管理,予防に関して,現段階において我が国で一般に認められ,標準化すべき内容が網羅されており,実地診療に大いに役立つものと期待しています。
 学会の社会貢献の一環として、これらのガイドラインを多くの医学・医療従事者に公開することは大変意義のあることと考え、この度、学会の一般向けホームページで公開することとなりました。

ガイドラインの目的は標準的な診療情報の提供であり,個々の症例における臨床的診断の決定・責任は医師と患者にあることを改めてご認識いただいた上で、「循環器病の診断・治療ガイドライン」を実地診療に活用いただき、大いに役立てていただくことを期待しています。

「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」はこちらで公開しています

3評議員選挙の投票資格について

本学会評議員の任期満了に伴い、2008年4月1日から就任する評議員の選挙を2007年度に施行します。
選挙資格者(投票者)の資格取得のため、資格取得基準日である2007年3月31日(土)までに規定の年会費納入を完了していただきますようお願い申し上げます。
 会費納入状況がご不明の場合は、学会事務局(admin@j-circ.or.jp)までお問い合わせください。

※注意事項※

2007年3月31日までに日本循環器学会の口座に年会費入金が完了していなければなりません。お送りしています払込用紙で、最寄りの郵便局にてお手続き下さい。なお郵便局ATMのご利用や一部地域では、振込みから口座への入金完了までに1週間程度かかる場合もあります。余裕をもってお手続きいただきますようお願い致します。

4学術集会時の専門医研修単位登録について

第71回学術集会の会期中、専門医研修単位登録を下記の受付窓口にて受け付けます。
「循環器専門医カード」の提示により単位を登録する方式ですので、循環器専門医の皆様は「循環器専門医カード」をお忘れなきようご注意ください。

登録受付窓口は以下の場所に設置いたします。

  • 学術集会:神戸国際展示場3号館の「研修単位登録受付」
  • 教育セッション:ポートピアホール 2Fロビーの「循環器教育セッション研修単位登録受付」

以下の注意事項をご確認ください。

  • 会期中に会場でのみ、単位登録を受け付けます。プログラムや参加証などの書類による会期後の単位申告は受付できませんので、ご注意ください。
  • 登録は、必ずご本人がお手続きください。なりかわり等の虚偽登録が確認された場合、専門医制度規則第9条により専門医資格の取消となります。予めご了承ください。

各受付会場での受付時間や、その他詳細はこちらをご確認ください。

JCS Newsletterのバックナンバーをこちらのページでご覧いただけます。

ご意見・ご感想、配信先の変更・中止等は下記のアドレスまでご連絡ください
news-m@j-circ.or.jp

発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

本メールに記載された記事を、許可なく転載することを禁じます。
Copyright © The Japanese Circulation Society. All rights reserved.