JCS Newsletter

Vol.11 (2007.5.15)

  • World Circulation News PLUS
  • 「第3回循環器専門医を志す研修医のための卒後セミナー」のご案内
  • JCS-ITC 各支部 ACLSプロバイダーコースのご案内 
  • ISCP2007 Congress演題募集のご案内

日本循環器学会は社会貢献の一環として、医療従事者の教育研修にも積極的に取り組んでいます。
今回は、例年好評いただいています「卒後セミナー」や「ACLS講習会」など、学会主催の講習会についてご案内します。
皆様の積極的なご参加、また周囲の先生方へのご周知をお願いいたします。

1World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)

海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

BNP値低下治療が心不全患者の死亡率と入院率を低下

HealthDay News 4月17日

慢性心不全患者に血漿中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値の低下を試みる治療戦略は、標準的な治療よりも死亡リスクと入院リスクを減少させるというSTARS-BNP多施設研究の結果が、米国心臓学会誌「Journal of American College of Cardiology(JACC)」4月24日号に掲載された。

フランス、レネ・デカルト大学(パリ)のPatrick Jourdain氏らは、ニューヨーク心臓協会(NYHA)の機能分類ⅡとⅢに該当する心不全患者220人を、BNP値の低下を目標とする治療群または標準治療群に無作為に割り付けた。全患者はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とβ遮断薬、利尿薬による至適治療を受けた。

平均15カ月の追跡後、心不全関連の死亡または入院の共同エンドポイントに達した患者は、BNP誘導治療群で24%、標準治療群で52%であった。BNP治療群では、3カ月間あたりのACE阻害薬とβ遮断薬の使用頻度を高めたことがより大きく予後改善に寄与していた。

「本研究は、臨床の専門的知識に基づく標準治療よりもBNP値の監視に基づく治療のほうが、慢性心不全患者の予後が改善することを示している。両群とも、研究開始前にうっ血性心不全の専門医が治療の至適化を図っていたにもかかわらず、BNP低下治療の便益が確認された」と著者らは述べている。

減塩により長期的心血管疾患リスクが軽減

HealthDay News 4月20日

塩分摂取量を約1/3減らすことにより、心血管疾患リスクを有意に軽減できるとする研究が、英医師会誌「BMJ」4月20日号に掲載された。

米ブリガム・ウィメンズ病院およびハーバード大学医学部(ボストン)のNancy R. Cook氏らは、1990年に終了したフェーズⅠ高血圧予防試験(TOHPⅠ)の高血圧前症者744人と、1995年に終了したフェーズⅡTOHP(TOHPⅡ)の高血圧前症者2,382人を対象に、ナトリウム摂取量を制限しなかった対照群、44mmol/24時間に制限した介入群、33mmol/24時間に制限した介入群に分類した。

10〜15年後、追跡可能だった2,415人のうち200人が心血管イベントを発症していた。両介入群は対照群と比較して、心血管イベント発症率は25%少なく、死亡率は20%少なかった。

「減塩による心血管疾患リスクの低下は明白であり、このことは幅広い人口層においても、減塩の食生活が心血管疾患予防となりうる裏づけとなる」と著者らは述べている。

医師と企業とのつながりはごく一般的

HealthDay News 4月25日

ほとんどの医師は製薬会社などの企業担当者と何らかの関係を持っている、との全米調査の結果が、「New England Journal of Medicine」4月26日号に発表された。

米ハーバード大学医学部(ボストン)のEric G. Campbell氏らは、医師3,167人(麻酔科医、心臓専門医、家庭医、一般外科医、内科医、小児科医)の企業との金銭的つながりを調査した。

その結果、医師の94%がつながりがあると回答。その大半は、職場で薬品サンプルや食品などの贈り物を受け取ったというもの。35%は学会参加費や卒後医学教育(CME)費の肩代わりを受けていた。28%はコンサルティングや講義、臨床試験への患者登録により報酬を受けていたが、この種の報酬の受け取りは心臓専門医が家庭医の2倍の割合で多かった。企業の医薬情報担当者と会う頻度は家庭医が最も多く、また、病院の勤務医よりも個人開業医や共同開業医に多く認められた。

「この調査結果は、医師と企業の関係が日常的なものであり、またその関係は専門分野や勤務形態、業務活動により差異があることを示している」と、Campbell氏らは述べている。

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World Circulation News (WEB)
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2「第3回循環器専門医を志す研修医のための卒後セミナー」のご案内

恒例となりました本セミナーを今夏も開催いたします。レクチャーではアナライザーを導入して聴衆参加型とし、チューターを交えた症例のグループ討論も盛り込みました。毎回、募集定員を大幅に超えるお申込みをいただいておりますので、今回は72名まで定員を増やしました。貴院で従事される研修医の先生方へのご案内をよろしくお願いいたします。

第3回循環器専門医を志す研修医のための卒後セミナー (主催:日本循環器学会 教育研修委員会)

日時:2007年7月8日(日) 10:00-16:35
会場:大手町サンケイプラザ

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3JCS-ITC 各支部 ACLSプロバイダーコースのご案内

日本循環器学会は米国心臓協会(AHA)と契約して国際トレーニングセンター(ITC)となり、心肺蘇生法委員会の中の教育部門としてECC(緊急心血管治療)プログラムを独自に推進させていく事となりました。
今後 JCS-ITCコースとして、各支部においてACLSトレーニングコースを開催致します。

現在、以下のコースをご案内中です。積極的に参加いただき、地域での「救命の連鎖」確立を推進していただける方を募集します。

  • JCS-ITC 第1回東北支部 AHA ACLSプロバイダーコース(開催:2007/6/9-10)
  • JCS-ITC 第1回中国支部・四国支部合同 AHA ACLSプロバイダーコース(開催:2007/7/7-8)
  • JCS-ITC 第1回東海支部・北陸支部合同 AHA ACLSプロバイダーコース(開催:2007/8/25-26)

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4ISCP2007 Congress演題募集のご案内

14th Congress of the International Society of Cardiovascular Pharmacotherapy(2007/11/28〜12/2 Antalya,Turkey)では演題を募集中です。下記URLよりご応募ください。

http://www.iscp2007.org ※演題締切:5月31日

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発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

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