JCS Newsletter

Vol.15 (2007.7.10)

  • World Circulation News PLUS
  • 専門医試験の受験資格に「AHA ACLSプロバイダーコースの修了」が加わります
  • WCC2008演題募集のご案内
  • 「勤務医師賠償責任保険」の更新・加入は7月31日締切りです

2008年度より循環器専門医の受験資格にAHA-ACLSプロバイダーコース受講修了が必須となります。
受験を予定されている先生は、早めに受講されることをお勧めいたします。
詳細は下記をご覧ください。

◆JCS2008〜第72回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆

1World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)

海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

AHAが新しい高血圧治療ガイドラインを発表

HealthDay News 6月21日

米国心臓協会(AHA)は、拡張期および収縮期血圧の目標値、共存症(comorbidities)、降圧薬に関する最善の有効データに基づく、冠動脈疾患予防のための新しい高血圧治療ガイドラインを発表した。このガイドラインは「Circulation: Journal of the American Heart Association」5月29日号に掲載された。

AHA(テキサス州ダラス)会長のClive Rosendorff氏らは、糖尿病や慢性腎疾患、もしくはその他の心疾患リスクファクターを有する患者の心疾患一次予防には、130/80 mm Hg未満を治療目標とする積極的な降圧が適切であるとしている。

しかし、その一方でガイドラインでは、拡張期血圧の上昇や心疾患、心筋虚血の徴候を有する患者にはより慎重な対応が必要であり、時間をかけて緩やかに血圧を低下させるべきだとしている。治療薬の選択については意見の一致を見ないものの、大半の患者は目標達成に2種類の薬剤を要することになる。治療開始時血圧が目標値より20/10 mm Hg以上高い場合には、2剤でスタートする。

「研究により、心不全にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB、カンデサルタンもしくはバルサルタン)に同等の効果があることが示された。両クラスの薬剤ともに降圧に有効である」と著者らは述べている。

エストロゲンは冠動脈プラーク内の石灰化を軽減

HealthDay News 6月20日

比較的若い50歳代の閉経女性で、子宮摘出後にエストロゲン療法を受けていた群では、プラセボ群に比べて冠動脈プラークの石灰化が少ないとする無作為化試験(WHIのサブスタディ「冠動脈石灰化研究(CACS)」)の結果が、「New England Journal of Medicine」6月21日号に掲載された。

米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院/ハーバード大学医学部(ボストン)のJoAnn E. Manson氏らは、子宮摘出後の女性1,064人(50〜59歳)をプラセボ群と1日0.625mgの結合型エストロゲン(CEE)投与群に無作為に割り付けて比較。治療後平均7.4年時と試験終了後平均1.3年時に、CTを用いて心臓の冠動脈石灰化を測定した。

その結果、エストロゲン群で石灰化が有意に少ないことが認められた。全例解析では、エストロゲンは冠動脈の石灰化を42%減少させ、エストロゲン治療を少なくとも80%遵守(adherent)した女性では石灰化が61%減少していた。

米タフツ大学医学部(ボストン)のMichael E. Mendelsohn氏らは「この研究結果は、閉経間もない女性が更年期症状の軽減にホルモン療法を考えている場合は心強いものとなる。しかし、ホルモン療法を心疾患予防の治療戦略として考えないように引き続き留意すべきである」と編集論説で述べている。

腎疾患と心疾患は相互に関連

HealthDay News 6月13日

慢性腎疾患に関連する症状の多くは心疾患につながり、逆に心疾患に関連する症状は腎機能低下につながるという、両疾患の間に潜在的な悪循環のあることを示す2本の研究論文が、「Archives of Internal Medicine」6月11号に掲載された。

1本目の研究は、米ウィリアム・ボーモント病院(ミシガン州ロイヤルオーク)のPeter McCullough氏らによるもので、米国腎臓基金(NKF)の「腎臓初期評価プログラム」への参加ボランティア3万7,153人を平均16カ月追跡した。研究では、貧血や推定糸球体濾過率(eGFR)の低下、微量アルブミン尿などの慢性腎疾患関連の症状が独立して心疾患に結びつくことが明らかになった。

2本目の研究は、米タフツ大学ニューイングランド医療センター(ボストン)のDaniel Weiner氏らによるもので、心疾患患者1万3,826人を含む2つの長期的研究データを分析した結果、心疾患は腎機能の低下、血清クレアチニン値の増加あるいは腎疾患リスクを1.70倍高めることが明らかになった。

米ウェイク・フォレスト大学医学部(ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム)のBarry Freedman氏らは編集論説で、「プライマリケア医と腎臓病専門医、心臓病専門医医が連携して、腎疾患でも重要な血管疾患のリスクファクターの減少と治療にあたれば、慢性腎疾患および心疾患の現在の高い有病率を低下させる可能性が最大限になるであろう」と述べている。

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World Circulation News (WEB)
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2専門医試験の受験資格に「AHA ACLSプロバイダーコースの修了」が加わります

来年、2008年度(第19回)循環器専門医資格試験から「AHA ACLSプロバイダーコースの修了」が受験必須資格となりました。

  • 開始時期:2008年度(第19回)専門医資格認定試験
  • 対象となるコース:AHA ACLSプロバイダーコース
  • JCS(日本循環器学会)、JAA(日本ACLS協会)、JRC(日本蘇生協議会)、
    アメリカなど海外で受講した場合でも「AHA ACLSプロバイダーコース」であれば受験可能とする
  • 小児科系に限ってはPALS(Pediatric Advanced Life Support)コースを同等資格として認める
  • 有効な認定証の提示を必要とする(但し2008年度は移行措置を設ける)

なお、AHA ACLSプロバイダーコース受講のためにはAHA BLS Healthcare Provider Courseの修了が必要です。 受験資格BLS、ACLS受講についてはこちらをご覧ください

3WCC2008演題募集のご案内

World Congress of Cardiology2008(2008/5/18-21, BuenosAires, Argentina)では、現在演題を受付中です。
こちらからご応募ください。

※演題締切:9月17日

4「勤務医師賠償責任保険」の更新・加入は7月31日締切りです

標記の件について、申請書類を6月中旬に送付いたしました。お手続き忘れのないようご注意ください!

詳細は下記までお問い合わせください。

<取扱代理店> 株式会社カイトー
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル
TEL:03(3369)8811 FAX:03(3369)3120 E-mail:ibai@kaito.co.jp

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