JCS Newsletter

 

Vol.17 (2007.8.7)

  • World Circulation News PLUS
  • 循環器専門医研修施設および研修関連施設の指定申請について
  • 第3回日中心血管フォーラム開催のご案内
  • APCC2007学会登録のご案内
  • WCC2008演題募集のご案内

JCS2008


JCS2008〜第72回学術集会では現在、演題登録を受付中です。多数のご応募お待ちしております。
一般演題プレナリー・シンポジウムコメディカル


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

ゲノムスキャンで心疾患に関連する遺伝子を同定

HealthDay News 7月19日

冠動脈疾患(CAD)に関連するいくつかの遺伝子変異がヒトゲノムスキャンで同定されたとする研究が、「New England Journal of Medicine」7月18日オンライン版で発表された。

英レスター大学のNilesh J. Samani氏らは、ウェルカム・トラスト症例対照研究協会(Wellcome Trust Case Control Consortium)から得た冠動脈疾患患者1,926人と対照群2,938人のゲノムをスキャンした。また、ドイツ心筋梗塞家族研究(German Myocardial Infarction Family Study)から得た心筋梗塞患者875人と対照群1,644人でその所見の再現を試みた。

その結果、染色体9p21.3、6q25.1、2q36.3上の遺伝子変異が軽度(未調整オッズ比1.20〜1.37)ではあるものの、有意に両研究の冠動脈疾患と相関することを見出した。また両研究のデータを合体して、どちらかの研究で冠動脈疾患に有意に相関する変異をさらに4カ所、染色体1p、10q、15q上に同定した。

今回の研究および、その他の最近の研究は「遺伝学を冠動脈疾患に応用した重要な一歩で、この分野における熾(し)烈な研究の最先端を行くものである」と、米ベス・イスラエル・ディアコネス・メディカルセンター(ボストン)のAnthony Rosenzweig氏は添付論説で述べている。

Abstract    Full Text    Editorial - Drazen    Editorial - Rosenzweig    Editorial - Hunter

抗血小板薬と抗凝固薬の併用は末梢動脈疾患のリスクを高める

HealthDay News 7月18日

抗血小板薬に経口抗凝固薬を併用している末梢動脈疾患(PAD)患者は、心血管イベントに関して便益を受けていない上、抗血小板薬単独使用の患者と比較して出血性脳卒中など生死にかかわる出血を経験しやすいという知見が、「New England Journal of Medicine」7月19日号に発表された。

カナダ、マクマスター大学(オンタリオ州ハミルトン)のSonia Anand氏およびワルファリン抗血小板薬血管評価(WAVE)試験の研究員らは、末梢動脈疾患患者2,161人(平均年齢64歳、73.6%が男性)を3.5年間追跡した。約半数は抗血小板薬(アスピリンまたは、チクロピジン、クロピドグレル)と経口抗凝固薬(ワルファリンまたはacenocoumarol)を併用し、もう半数は抗血小板薬を単独服用していた。

心筋梗塞、脳卒中、重度虚血、心血管原因による死亡の発症率では、両群に差は認められなかった。しかし、併用群は単独使用群と比較して、軽度と中等度、さらに生死にかかわる出血の発症率が高かった(4.0%対1.2%、相対リスクは3.41)。

「エビデンスの全体的観点では、抗血小板薬に抗凝固薬を付加することは、明らかに出血性合併症の発症率の増加をもたらすことを示している」と、米ペンシルバニア大学医学部のEmile R. MohlerⅢ氏は添付論説で述べている。

Abstract    Full Text    Editorial

非空腹時トリグリセリド値が心イベントの予測因子に

HealthDay News 7月17日

非空腹時トリグリセリド(TG:中性脂肪)高値は冠動脈性心疾患(CHD)のリスクファクター(危険因子)になるとの2つの研究論文が、米国医師会誌「JAMA」7月18日号に掲載された。

デンマーク、ハーレフ大学病院のBorge Nordestgaard氏らは、コペンハーゲン在住の女性7,587人と男性6,394人を約26年間追跡した。女性では、TG値が1〜2mmol/Lの場合、調整後の心筋梗塞ハザード比は(1mmol/L未満の場合と比較して)1.7で、同値が5mmol/Lを越えるとハザード比は5.4にまで上昇していた。同条件における男性のハザード比は1.4から2.4へと上昇。虚血性心疾患(IHD)のハザード比は女性で1.4から2.6、男性では1.1から1.5へと上昇していた。全死亡のハザード比は、女性で1.3から3.3、男性では1.2から1.8へ上昇していた。

米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のPaul Ridker氏らも、健常米国人女性26,509人を11年間追跡し、非空腹時TG値の増加が、各種リスクファクター調整後も心イベント発症リスクを2倍上昇させていることを見出した。一方、空腹時TG値はリスク上昇とは相関していなかった。

「両研究のデータから、従来示唆されていた通り、男性に比べ女性のほうが高TG血症によるリスクがより高いことが判明した。しかし、食後TG高値は男女ともにリスクを高めることも判明した」と添付論説者らは述べている。

なお、両研究の著者らの一部は、製薬会社数社から研究支援および顧問謝礼を受けている。

Abstract -- Nordestgaard    Full Text -- Nordestgaard (subscription or payment may be required)
Abstract -- Ridker    Full Text -- Ridker (subscription or payment may be required)    Editorial

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World Circulation News (WEB)
AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。


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 循環器専門医研修施設および研修関連施設の指定申請について


2008年度(2008年4月1日)指定となる、循環器専門医研修施設および研修関連施設の指定申請に関するご案内をいたします。指定を希望する施設は、要項に従って申請をしてください。

→指定申請要項はこちら

なお、2008年度指定更新(2008年4月1日)に該当する施設には、各施設の申請者(循環器専門医代表者)あてに申請書類を送付します(本年9月中旬)。


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 第3回日中心血管フォーラム開催のご案内


日本及び中国における循環器疾患に関する最新知見の紹介、日中の学術交流・共同研究の討議を目的として、第3回日中心血管フォーラムが2007年10月に北京にて開催されます。

会期:2007年10月11日(木)〜12日(金)
会場:北京国際会議センター
会長:松森 昭(京都大学大学院医学研究科)
        胡 大一(北京大学人民医院心血管研究所)

2007年は日中国交正常化35周年記念の年でもあります。
JCS会員各位のご参加をお待ちしております。詳細はこちらからご覧ください。


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 APCC2007の学会登録のご案内


The 16th Asian Pacific Congress of Cardiology(2007/12/13-16, Taipei ,Taiwan)では、現在参加登録を受付中です。
こちらからご登録ください。

※登録締切:8月31日


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 WCC2008演題募集のご案内


World Congress of Cardiology 2008(2008/5/18-21, BuenosAires, Argentina)では、現在演題を受付中です。
こちらからご応募ください。

※演題締切:9月17日

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発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

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