JCS Newsletter

 

Vol.26 (2007.12.18)

  • World Circulation News PLUS
  • 第72回学術集会 一般演題の採択演題をお知らせしています
  • ガイドライン発刊のご案内
  • Circulation Journalの掲載料とカラー料金の変更について


12月14日(金)から、学術集会公式ホームページにおいて一般演題の採択演題をお知らせしています。演題登録された先生はご確認ください。

 

JCS2008


◆JCS2008〜第72回日本循環器学会総会・学術集会 公式ホームページはこちら◆


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

コレステロールは心疾患とは関連するが、脳卒中とは関連しない

HealthDay News 11月30日

総コレステロールの低値は中高年の虚血性心疾患(IHD)死亡リスクの減少と関連するものの、脳卒中死亡リスクとの関連はないとするメタ分析の研究結果が、「Lancet」12月1日号に掲載された。

英オックスフォード大学を本拠とする前向き試験共同研究(Prospect Studies Collaboration)において、Sarah Lewington氏らは、61本の前向き観察研究(大半は西欧および北米で実施されたもの)の情報を収集した。標本母集団は研究開始時に血管疾患の既往歴のない40〜89歳の成人892,337人で、血管関連死は55,262例であった。多重危険因子介入試験(Multiple Risk Factor Intervention Trial)の並行分析では、別の血管関連死34,242例が追加された。

その結果、全年齢層において、総コレステロール値が1mmol/L低いと、虚血性心疾患による死亡リスクが約1/3減少していた。高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールに対する総コレステロールの比率は、総コレステロール値よりも虚血性心疾患死の予測因子として2倍も強力であることが示された。ただし、コレステロールと脳卒中死の間には独立したポジティブな関連は認められなかった。

添付論説では、「HDLコレステロールの上昇と、トリグリセリドの低下、または炎症と高感度(high-sensitivity)C反応性蛋白の低減が、脳卒中リスクを減少させるかどうかは、無作為化試験での評価を待つべきであろう」と述べられている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)

卵円孔開存と潜因性脳卒中の関連は全年齢層に認められる

HealthDay News 11月28日

卵円孔開存(patent foramen ovale)は高齢者でも若年者でも潜因性(cryptogenic)脳卒中と独立した関連があるとする研究結果が、「New England Journal of Medicine」11月29日号に掲載された。

独フライブルク大学病院のMichael Handke氏らは、潜因性脳卒中患者227人と、対照群として原因が判明している脳卒中患者276人に、経食道心エコー(TEE)検査を実施し、若年層(55歳未満)と高齢層における卵円孔開存と潜因性脳卒中の関連性を比較した。

その結果、潜因性脳卒中群と対照群で卵円孔開存を有していた割合は、若年層で43.9%対14.3%、高齢層で28.3%対11.9%と、両年齢層で潜因性脳卒中群が有意に高かった。また、心房中隔動脈瘤を伴う卵円孔開存は、潜因性脳卒中とさらに強い関連があることが示された。年齢、プラーク厚、高血圧および冠動脈疾患を調整すると、卵円孔開存は潜因性脳卒中の独立した関連因子であることが、若年層(オッズ比3.70)および高齢層(同比3.00)で認められた。

「卵円孔開存を有することと潜因性脳卒中には、若年者のみならず高齢者でも関連性がある。このことは、奇異性(paradoxical)塞栓症が両年齢層において脳卒中の原因となることを示唆している」と著者らは結論づけた。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)

心筋梗塞を引き起こすプラーク部位の特定には超音波とサーモグラフィが有用

HealthDay News 11月27日

急性心筋梗塞、とりわけ冠動脈の全閉塞を伴う急性心筋梗塞を引き起こす原因となったプラークの場所を特定するには、血管造影よりも超音波とサーモグラフィを使用するほうが有用であるとする研究結果が、「Journal of the American College of Cardiology」12月4日号に掲載された。

鹿児島市立病院の内匠拓朗(たくみ・たくろう)氏らは、最高温度部位(サーマルワイヤで測定)が、心筋梗塞の原因となったプラークの場所(血管内超音波IVUSで測定)と一致するかどうかを、初回前壁急性心筋梗塞を来した45人の患者の左冠動脈前下行枝において検証した。

その結果、25人の患者に冠動脈の全閉塞が、残り20人の患者に再灌流が認められた。最高温度部位は、血管造影により狭窄や閉塞が確認された部位の末梢部に多く表れていた。再灌流の患者においては、超音波と血管造影とサーモグラフィで特定されたプラークの場所は、互いにほぼ近接していた。一方、閉塞の患者においては、血管造影で特定した閉塞部位は、超音波とサーモグラフィにより特定されたプラークの場所とより近接していた。

「最高温度部位と血管内超音波による測定部位が重なるという事実は、生体内の原因プラークの検出にサーモグラフィを用いることの妥当性を示しており、また炎症に伴う温度上昇の探知は、原因プラークの位置の特定に有用である」と、米エモリー大学医学部(アトランタ)のAloke V. Finn氏らは添付論説で述べている。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)    Editorial

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World Circulation News (WEB)
AHA、ACC、WHO、FDA、CDCの循環器領域関連のニュースヘッドラインを学会ホームページでお届けしています。


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 第72回学術集会 一般演題の採択演題をお知らせしています


12月14日(金)から、学術集会公式ホームページにおいて一般演題の採択演題をお知らせしています。
採択された演題の登録番号・採択演題名・筆頭演者名をカテゴリー別に掲載していますので、各自ご確認ください。

一般演題 採択演題のお知らせはこちら


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 ガイドライン発刊のご案内


循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2005-2006年度合同研究班報告)が、下記の内容で発刊されます。
12月20日(木)に会員の皆様に発送いたします。

  Circulation Journal vol.71 Supplement Ⅳ  

Circulation Journal vol.71 Supplement Ⅳ

■失神の診断・治療ガイドライン
■先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン
■QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン


また、下記の2006年度活動については学会ホームページのみでの公開となります。
2007年12月20日公開
□ 弁膜疾患の非薬物治療に関するガイドライン(2007年改訂版)
□ 肥大型心筋症の診療に関するガイドライン(2007年改訂版)

2008年より順次公開
□ 急性冠症候群の診断に関するガイドライン(2007年改訂版)
□ 心疾患に関する心臓(大血管)リハビリテーションのガイドライン(2007年改訂版)

ガイドライン(PDF版)はこちらでご覧いただけます。


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 Circulation Journalの掲載料とカラー料金の変更について


2008年1月1日(EST)以降に投稿される論文より、掲載料とカラー料金が以下の通り、変更となります。

 

●掲載料

 
 

      0〜2頁まで

      無料

 

      3〜5頁まで

      \10,000

 

      6〜8頁まで

      \20,000

 

      9頁以上

      \50,000

 
 

●カラー料金

 
 

      1頁につき

      \20,000


詳しくはこちらをご覧ください。



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発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

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