Vol.87 (2010.4.6)
- 2010年度留学支援基金助成
- 2013年度以降に「循環器専門医」の受験をご希望の方へ
- BLS・ACLS受講修了者へのピンバッヂ配付中止について
- World Circulation News PLUS
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2010年度日本循環器学会留学支援基金募集要項をホームページに掲載しています。
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日本循環器学会では、海外留学する若手研究者の経済的支援を通じて、学術集会の発展、医学研究の振興を願って「留学支援基金」を設定しています。
2010年度応募については下記をご確認ください。
→留学支援基金助成
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2013年度以降に「循環器専門医」の受験をご希望の方へ
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研修カリキュラム達成度評価表について
第24回(2013年度)循環器専門医試験の受験申請者より「循環器専門医研修カリキュラム達成度評価表」の提出が必須となります。循環器専門医研修カリキュラムに基づく研修を循環器学会指定研修施設または関連施設にて行っていただくことが必須となっておりますので下記URLより研修カリキュラム達成度評価表をダウンロードしてご準備ください。
→http://www.j-circ.or.jp/information/senmoni/hyoukahyou.htm
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BLS・ACLS受講修了者へのピンバッヂ配付中止について
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JCS-ITCでは2008年4月より、BLSヘルスケアプロバイダーコース修了者にはCPRピンバッヂを、ACLSプロバイダーコース修了者には ACLSピンバッヂを配付しておりましたが、2010年3月31日を持ちまして、配付を中止することとなりました。それに伴い、2008年3月以前のコー スを修了された方への希望者へのピンバッヂ送付も中止させていただきます。悪しからずご了承くださいませ。
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World Circulation News PLUS(Health Day News 提供) |
海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約)
AEDの利用増加が生存率改善をもたらす−日本での全国的調査研究
HealthDay News 3月17日
日本におけるパブリックアクセス自動体外式除細動器(AED)の利用増加に伴い、病院外で心停止した患者の救助が迅速化し、神経障害を伴わない生存率が改善しているとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」3月18日号に掲載された。
京都大学保健管理センターの北村哲久氏らは、2005-2007年における病院外心停止の全国登録を用い、同期間におけるパブリックアクセスAEDの普及効果を評価した。神経障害をほとんど伴わない1カ月間生存率を主要評価項目(一次アウトカム)とした。
その結果、心原性心停止後に心室除細動が行われた患者12,631人のうち462人は、一般の人がパブリックアクセスAEDを用いて蘇生させたものであった。病院外で心停止した全患者の1カ月後生存率が14.4%であったのに対し、AEDによって蘇生した患者の31.6%は1カ月後に生存しており、神経障害はわずかであった。研究期間中、居住地域のAED設置数は1平方キロメートルあたり1未満から4以上まで増加した。一方、電気ショックを受けるまでの平均時間は3.7分から2.2分まで短縮し、神経障害をほとんど伴わない年間生存患者数は1,000万人あたり2.4人から8.9人まで増加した。
著者らは「本研究は、心停止後の迅速な電気ショックだけではなく、周囲の者が何らかの心肺蘇生術(CPR)を開始することの重要性を強調するものである。周囲の者によるCPR開始が増加したことによって、患者の心停止からCPR開始までの時間が短縮した。また、迅速な電気ショックおよびCPR開始によって患者のアウトカムが改善した」と述べている。
Abstract
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米国心臓病学会(ACC)リポート:ステント施行時のアスピリン単剤およびデュアル抗血小板療法の効果は同程度
HealthDay News 3月15日
薬剤溶出ステント(DES)使用患者の心臓発作発症率低下または心血管イベントによる死亡率低下に関して、アスピリン単剤療法と比較した場合、12カ月間を超えるデュアル抗血小板療法は優位な効果を示さないとの研究論文が、「New England Journal of Medicine」オンライン版3月15日号に掲載された。本試験は、3月14-16日にアトランタで開催された米国心臓病学会(ACC)年次学術集会においても公表された。
韓国、蔚山(ウルサン)医科大学(ソウル)のSeung-Jung Park氏らは、薬剤溶出ステント使用後の12カ月間に、冠動脈または脳血管における重大な有害事象もしくは大出血の発症を来さなかった患者2,701人をランダム(無作為)化し、クロピドグレルとアスピリンの併用群またはアスピリン単剤療法群に割り付けた。
その結果、2年経過時における主要評価項目(心筋梗塞または心イベントによる死亡)の累積リスクは、クロピドグレルとアスピリンの併用群では1.8%であり、アスピリン単剤療法群では1.2%であった。心臓発作、血行再建術の再施行、脳卒中、大出血、ステント血栓症、死因を問わない死亡の個別リスクに関し、2群間に有意差は認められなかった。しかし、アスピリン単剤療法群と比較して、アスピリンとクロピドグレルの併用群では、心臓発作、脳卒中、死因を問わない死亡の複合リスクに加え、心臓発作、脳卒中、心イベントによる死亡の複合リスクが(有意ではないが)高かった。
著者らは「結論として、薬剤溶出ステント使用後に虚血イベントまたは出血イベントがなかった患者において、12カ月間を超える長期デュアル抗血小板療法はアスピリン単剤療法と比較して、心筋梗塞または心イベントによる死亡リスク低下に関して有意な効果を示さなかった。より大規模な臨床試験を実施する必要がある」と述べている。
著者数人は、ボストン・サイエンティフィック社、コーディス社、メドトロニック社などの製薬企業および医療技術企業との財務関係を報告している。
Abstract
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米国心臓病学会(ACC)リポート:バルサルタンおよびナテグリニドは心イベントを減少させない
HealthDay News 3月15日
心血管疾患または心血管危険因子(リスクファクター)を有する耐糖能異常(IGT)患者において、バルサルタン(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)およびナテグリニド(血糖降下薬)はいずれも心血管アウトカム尺度(measures)の発現率を低下させないが、バルサルタンは糖尿病発症率を中等度に低下させるとの、「耐糖能異常患者におけるナテグリニドおよびバルサルタン使用のアウトカム研究(NAVIGATOR)」グループによる2種類の分析結果が、「New England Journal of Medicine」オンライン版3月14日号に掲載された。本結果は、3月14-16日にアトランタで開催された米国心臓病学会(ACC)年次学術集会においても公表された。
英オックスフォード大学のRury R. Holman氏らは、ライフスタイル改善プログラムへ患者9,306人を参加させるとともに、2×2要因配置法(factorial design)によってナテグリニド投与群、バルサルタン投与群、プラセボ投与群に患者をランダム(無作為)化した。5年間追跡調査し、多重検定(multiple testing)に関して調整した結果、ナテグリニドは、累積糖尿病発症率、コア複合心血管アウトカム(心血管イベントによる死亡、非致命的心臓発作または脳卒中、心不全による入院)、長期複合心血管アウトカム(コア複合アウトカムの各要素、不安定狭心症による入院、冠動脈血行再建術)のいずれも有意に低下させなかった。
NAVIGATOR研究グループによる他の分析では、糖尿病および心血管イベントの発症率に対するバルサルタンの効果を評価した。その結果、バルサルタン投与群ではプラセボ投与群と比較して糖尿病発症率が中等度に低下したが、バルサルタン投与によって、コア複合心血管アウトカム尺度または長期複合心血管アウトカム尺度の発症率は有意に低下しなかった。
添付論説の著者は「NAVIGATOR研究の結果は概してネガティブであった。いずれの薬剤も(本研究コホートの1/4が両薬剤を服用した点を考慮すれば、2剤併用時も)2種類のコプライマリ心血管疾患アウトカムを低下させなかった。唯一のポジティブな結果として、バルサルタン投与の結果、わずかながら糖尿病発症率が統計学的に有意に低下した」と述べている。
本研究は、ノバルティス社の支援を受けた。著者数人は、ノバルティス社との財務関係を報告している。
Abstract - Nateglinide
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Abstract - Valsartan
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Editorial
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