JCS Newsletter

 

Vol.112 (2010.12.21)

  • 循環器病の診断と治療に関するガイドライン発刊のお知らせ

  • 「専門医カード」再発行のご案内

  • World Circulation News PLUS


循環器病の診断と治療に関するガイドラインを12月5日に発刊しました。

 

JCS2011


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  循環器病の診断と治療に関するガイドライン発刊のお知らせ


Vol.74 Supplement IIとして12/15に発刊致しました。現在、ホームページに公開しています。
■ 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
■ 循環器診療における性差医療に関するガイドライン

以下のガイドラインはホームページで順次公開致します。
□ 循環器疾患における末期医療に関する提言
□ 循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン(2010年改訂版)
□ 心臓核医学検査ガイドライン(2010年改訂版)
□ 心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン(2010年改訂版)
□ 心臓突然死の予知と予防法のガイドライン(2010年改訂版)
□ 禁煙ガイドライン(2010年改訂版)
□ 慢性心不全治療ガイドライン(2010年改訂版)
□ 慢性虚血性心疾患の診断と病態把握のための検査法の選択基準に関するガイドライン(2010年改訂版)

  


  


→ガイドライン(PDF版)はこちらでご覧いただけます。



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  「専門医カード」再発行のご案内


日本循環器学会学術集会・地方会(教育セッション、医療安全・医療倫理に関する講演会を含む)での専門医研修単位の登録手続きには、早くて便利な「専門医カード」による手続きをお願いしています。

第75回学術集会にてご使用いただくためには、今月12月末が申し込み締切となります。

再発行を希望される専門医は、下記からお申し込みください。

→http://www.j-circ.or.jp/information/senmoni/files/senmoni_card_order.pdf


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 World Circulation News PLUS(Health Day News 提供)


海外の循環器系ニュースの短報(和訳)をお届けします。(利用規約

9歳時以降の危険因子評価が成人期の心血管疾患を予測

HealthDay News 11月30日

小児期における心血管リスクファクター(危険因子)評価は、9歳以上の小児において実施しない限り、成人期の心血管疾患に対する予測能を有しないとの研究論文が、「Circulation」オンライン版11月29日号に掲載された。

フィンランド、トゥルクTurku大学のMarkus Juonala氏らは、プロスペクティブ(前向き)4コホートの被験者4,380人から、小児期(3-18歳)の心血管リスクファクターデータおよび成人期(20-45歳)の頸動脈内膜中膜厚(IMT)測定結果を含むデータを収集した。本研究の目的は、小児期のリスクファクターと成人頸動脈IMTの関係に対する小児期年齢の影響を判定することであった。

その結果、9、12、15、18歳時で評価した総コレステロール、トリグリセリド、血圧、ボディー・マス・インデックス(BMI)などのリスクファクター数の増加は、IMT高値に対する予測因子であった。3歳時および6歳時におけるリスクファクターの関連は弱く、有意ではなかった。

著者らは「4件の縦断的コホート研究の分析結果から、小児期のリスクファクターと頸動脈IMTの関係の強さは、小児期の年齢に依存することが示された。これらのデータに基づくと、9歳時以降のリスクファクター測定評価結果は、成人期のサブクリニカル(不顕性)なアテローム性動脈硬化症に対する予測因子となる」と結論している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

小児期からの野菜・果物摂取量が成人期のアテローム性動脈硬化症リスクに影響

HealthDay News 11月29日

生涯にわたるライフスタイル(生活習慣)のリスクファクター(危険因子)、特に果物および野菜の摂取量は、成人の動脈壁硬化度に関連するとの研究論文が、「Circulation」オンライン版11月29日号に掲載された。

フィンランド、タンペレTampere大学のHeikki Aatola氏らは、小児期以降27年間の追跡調査を受けた被験者1,622人を対象とし、ライフスタイル・リスクファクターに関するデータを研究した。被験者の成人期に、動脈脈波伝播速度(PWV)を測定した。本研究の目的は、小児期および成人期のライフスタイル・リスクファクター、特に生涯の果物および野菜摂取が成人PWVに関連するか否かを評価することであった。

その結果、小児期の野菜摂取と成人期のPWVには逆の関連が認められ、従来の他のリスクファクター(高比重リポ蛋白[HDL]コレステロール、低比重リポ蛋白[LDL]コレステロール、トリグリセリド[TG]、収縮期血圧[SBP]、ボディー・マス・インデックス[BMI]、喫煙)に関して調整した場合でも、依然として有意であった。生涯一貫して果物および野菜の摂取量が多い被験者では、一貫して摂取量が低い被験者と比較してPWVが低値であった。成人期のリスクファクター数に関して調整した場合でも、小児期におけるライフスタイル・リスクファクターの総数は、成人期のPWVと直接かつ有意に関連していた。

著者らは「小児期から成人期にかけて良好な食事習慣を継続すれば、より顕著にPWVが低下すると考えられる。以上の所見は、心血管疾患の一次予防において、小児期からの食事習慣に注意を払うことの重要性を強調するものである」と結論している。

Abstract    Full Text (subscription or payment may be required)   

肝機能検査値異常がスタチン系薬剤によって改善

HealthDay News 11月24日

肝機能検査値異常患者の肝機能は、スタチン系薬剤によって実際に改善する可能性があり、肝機能検査値が正常な患者と比較して、実質的に大きな心血管系に対するベネフィット(便益)を受けるとの研究論文が、「The Lancet」オンライン版11月24日号に掲載された。

ギリシャ、アリストテレAristotle大学(テッサロニキ)のVasilios G. Athyros氏らは、GREACE(Greek Atorvastatin and Coronary Heart Disease Evaluation)研究集団の患者1,600人を対象とし、事後(post-hoc)分析を実施した。被験者はいずれも75歳未満であり、冠動脈心疾患に罹患していた。また、血清低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール濃度が2.6 mmol/L(約100.5mg/dL)を超え、血清トリグリセリド濃度が4.5 mmol/L(約398.6mg/dL)未満であった。本分析の目的は、肝機能検査値異常患者を対象とし、スタチン療法の安全性および有効性を評価することであった。

その結果、被験者437人において、ベースライン時の肝機能検査値が中等度高値を示した。スタチン投与を受けた被験者227人では肝機能検査値が有意に改善したのに対し、スタチン投与を受けなかった被験者210人では肝臓酵素値がさらに上昇した。スタチン投与群では、スタチン非投与群と比較して心血管イベントの相対リスクが68%低下し、肝機能検査値が正常なGREACE被験者集団と比較してベネフィットが有意に大きかった。トランスアミナーゼ濃度が正常範囲上限の3倍を超えたことによるスタチン投与中止率は1%未満であった。

著者らは「肝機能検査値異常患者へのスタチン投与によって、心血管イベントのリスクが68%低下した(P<0.0001)。肝機能検査値が正常な患者と比較して、肝機能検査値が異常な患者では、スタチン投与に関連した相対リスク低下が大きかった。したがって、スタチン(本研究では主にアトルバスタチン)の長期投与によるリスク便益比は、肝機能検査値が中等度異常の患者においてもスタチン投与に有利である」と結論している。

著者数人は、製薬会社数社との財務関係を開示している。

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発行:(社)日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/

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