
2025年5月12日(月): 【国民の皆様向けメッセージ掲載】
代表理事就任のごあいさつ

代表理事小林 欣夫
(千葉大学医学部附属病院 循環器内科)
この度、平田健一前代表理事の後任として、日本循環器学会第22代代表理事を拝命しました千葉大学の小林欣夫です。日本循環器学会は、1935年(昭和10年)に発足し、日本の循環器病学の研究、診療、人材育成などの多くの領域において数多くの輝かしい成果を上げ、現在の会員数は37,270名、循環器専門医17,260名であり、わが国の医学会を代表する学会となっています。このような伝統ある学会の代表を務めさせていただくことになり、大変光栄に存じますと共に、身の引き締まる思いです。
2018年12月に「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立し、日本循環器学会は日本脳卒中学会や関連学会と共同で「ストップ脳心血管病」を合言葉に健康寿命の延伸を大目標とし、1)人材育成、2)医療体制の充実、3)予防・国民への啓発、4)登録事業の促進、5)基礎・臨床研究の強化の5戦略を掲げ、活発に活動しており、今後大きな成果が上がってくると思われます。
日本循環器学会のミッションを達成するためには、関連学会との連携が非常に重要であります。現在、日本循環器学会がハブとなり、日本小児循環器学会、日本心エコー図学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心臓病学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本心不全学会、日本不整脈心電学会、外科連合(日本心血管外科学会、日本胸部外科学会、日本心血管外科学会)とともに、日本循環器連合を形成しています。これらの学会同士の協力が大きな力になることは間違いありません。大きな成果を上げていけるようにしたいと思っています。
国際化も重要なミッションであります。AHA(American Heart Association)、ACC(American College of Cardiology)、ESC(European Society of Cardiology)など欧米の学会と連携を図るとともに、アジア諸国との連携も強化しており、2027年にAPSC(Asian Pacific Society of Cardiology)学術集会が、第91回日本循環器学会学術集会と合同開催される予定となっています。日本の循環器領域の診療・研究の素晴らしさを国際的にアピールしていきたいと考えています。また、このためにも重要なものが学会誌であるCirculation Journal、Circulation Reportsの充実であり、さらなるImpact Factorの向上を目指していきたいと思っています。
長期的な視点での人材育成も非常に重要な課題であります。若手循環器医師の育成、女性循環器医師の積極的な参加・活躍を促していきたいと思っています。ダイバーシティ推進委員会、JCS-JJC部会、Next Generation部会、また各地方会のダイバーシティ推進委員会なども活用して、若手・女性循環器医師の意見を積極的に取り入れたいと思っています。また、メディカルスタッフの活躍も重要です。「心不全療養指導士」制度がスタートし、順調な経過を辿っています。医師のみでなく、メディカルスタッフが活躍することも、日本循環器学会が今後益々発展していくことの重要な要素と思われます。将来の循環器病学を担う人材の育成に努めたいと思います。
日本循環器学会が社会的な責任を果たすため、多くの会員の意見を取り入れ、理事、社員、会員の皆様とともに、全力で課題に取り組んで参ります。皆様の温かい御指導・御支援、何卒よろしくお願いいたします。