開会・座長挨拶 熊本大学大学院 医学薬学研究部 循環器病態学 教授 小川久雄氏
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 本セミナーの司会および座長を務めた小川久雄氏は、講演に先立ち、WHO(世界保健機関)と世界心臓連合の提唱による心血管病予防キャンペーン「世界ハートの日」について解説。この日は小川氏を含め演者全員が「世界ハートの日」Tシャツを着用し、国内では日本循環器学会と日本心臓財団が共同して行っている啓発活動についてアピールした。今年の「世界ハートの日」のテーマは「自分に潜むリスクを知ろう」であり、特に全世界において死因の第一位を占める心臓病と脳卒中の、様々なリスク改善に向けての努力が望まれている。
 日本においては、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患が全死因のうち約3分の1を占めているが、なかでも心筋梗塞による死亡率が高い。小川氏は「国内での心筋梗塞の罹患者は約15万人で、そのうちの30%が亡くなられている」と述べ、さらに「以前に比べると死亡率は下がってきているが、それはあくまで“入院後”の死亡率であり、“入院前”の死亡率はまだ非常に高い」という現状について報告した。そのため今回のプレスセミナーは、心筋梗塞の経過に沿って「心筋梗塞の発症直後の問題と、続いて急性心筋梗塞の治療の現状、入院後の治療成績、最後に心筋梗塞は再発が多いため、非常に重要となるリハビリテーションについての講演という4部構成とした」と、企画趣旨を説明した。
 最後に、「日本人の心筋梗塞について、ぜひ現状を広く知っていただきたい」と述べ、挨拶を締めくくった。